●花粉症とはどんな病気なのでしょう?
花粉症は典型的なアレルギー疾患です。
アレルギー疾患とは、特定の原因物質が人体に侵入してアレルギー反応(過敏反応)を引き起こし、その結果 として人体にとって不都合で不快な症状を誘発する病気です。

この原因物質のことをアレルゲンと呼びます。
花粉症のアレルゲンは文字通り各種植物の花粉です。その中でも、スギ花粉が一番の代表で、これによる花粉症をスギ花粉症と呼びます。

<花粉症にかかるまで>
花粉が空中を飛来

鼻、目、喉、気管などの粘膜や皮膚などに付着、侵入

アレルギー反応

いろいろな不快な症状を誘発(鼻、目、喉、気管、皮膚など)
どんな症状が強く現れるかは個人差があります。


▼▼▼花粉症の症状は原因となる花粉が飛沫する季節にだけ現れます▼▼▼
花粉植物の種類によってその季節が違います。
スギ花粉症の場合は2〜5月です。

●●不快な症状 鼻、目●●
花粉症はまず鼻と目に症状が現れます。
理由は簡単です。花粉症が着きやすい粘膜部分は常に外界にオープンしている鼻と目にあるからです。

●鼻の症状
・くしゃみ、鼻水、鼻づまり(最もよくみられる3大症状です)
・鼻がむずかゆい、鼻くうのまわりが赤く腫れて痛む
・鼻血が出る
・においが鈍くなる、鼻息に熱感がある
・鼻の中が乾燥してガサガサになる

●目の症状
・目が充血する、目がかゆい、目に灼熱感
・涙が出る、光がまぶしい、目ヤニが出る
このほかに鼻からの影響で、耳に症状が現れることもあります。
これは耳の中耳の部分が耳管で鼻の奥と通じているためです。

●耳の症状
・耳の中がかゆい、耳閉感

●●不快な症状 喉・舌・口・気管支●●
喉、舌、口、気管支などにも症状が現れることがあります。
これは第一には、鼻づまりがひどい場合、いつも口で呼吸するため、喉や口内が乾燥して炎症を起こしやすくなるためです。
特に起床時は、喉や口内の乾燥がひどく、痛みます。
また、花粉が喉や気管支に入りこんで刺激するため、喉のかゆみや、咳がでることもあります。

●喉の症状
・喉がかゆい、痛む、腫れる
・喉がカラカラに乾燥する(特に起床時が激しい)
・喉にゴロゴロと異物感

●舌・口の症状
・口の中がカラカラに乾燥する。舌が乾燥する
・舌に苔が出る、味が鈍くなる、口の中が苦い

●気管支の症状
・咳、痰、旨に不快感や閉塞感がある
・ゼーゼーヒューヒューする息苦しさ


●●不快な症状 皮膚●●
皮膚症状は花粉症の症状の中では、小数派で、鼻や目の症状ほどに多くはありません。
しかし、不快なうえに、美容上の悩みが加わるので、皮膚症状の強く現れる人によっては、大変な災難です。
これは、花粉が外気にさらされた皮膚に着いて、アレルギー反応を起こし、その結果 現れる症状です。
汗ばんだところや、化粧肌には特に花粉がつきやすいので、首、顔に症状が現れます。
耳や腕にも現れることがあります。
普段からアトビー性皮膚炎による皮膚症状があって、花粉症の時期になると、首から上や、腕などの皮膚症状が悪化する人もいます。

●皮膚の症状(重に首・顔・耳の後ろ、腕など)
・皮膚がピンク色を帯びる。または赤くなる
・皮膚面から盛り上がる、乾燥してカサカサ、ザラザラになる
・粉をふく、薄いかさぶたができてポロポロはがれてくる
・かきむしって出血する
・かきむしって皮膚ばびらんになり、ヒリヒリ痛む

●●不快な症状 その他全身●●
●胃腸症状
・腹痛、便秘、下痢、食欲不振、消化不良、吐き気
●神経、間接症状
・頭痛、頭が重い、関節痛、めまい、立ちくらみ

●その他の症状
疲れやすい、だるい、あくびが多い、眠たい、身体のほてり、寒気、発熱、汗をかきやすい、動機、気がめいる、イライラする、無力感など
これらの内で、どの症状が出るかは1人ひとり違います


▼▼▼花粉症はどうやって診断するのか▼▼▼
問診
@自覚症状の確認
  くしゃみ、鼻水、花づまり、目の充血、かゆみなどをはじめとする、花粉症を疑わせる症状があるかどうか
A症状に季節性があるかどうかの確認
  例えば、春にだけ出るのか、花粉症に合致する症状があり、しかも特定の季節に症状が現れたり、強まったりする場合には、花粉症が疑われます。

検査
@皮膚反応テスト
  皮内注射法(スギ花粉エキス)によるアレルゲンの確認
A血液検査
  特異的IGE(抗体産生)抗体量の測定によるアレルゲンの確認
花粉がアレルゲンとして確認されると、花粉症として診断されます。


▼▼▼現代医学の薬物治療▼▼▼
花粉症に対して、現代医学では、内服、点眼、点鼻など、薬による治療が基本になります。
使用される薬には主に2種類のタイプがあります。

●抗アレルギー剤
外用:インター点鼻薬、ソルファ点眼薬

使用法:花粉シーズンの2週間以上前から予防に使用。
作用:花粉が身体に侵入後の抗体反応の結果、化学伝達物質が放出されます。
これが花粉症の症状をひきおこします。
抗アレルギー剤は、化学伝達物質の放出を阻止します。

副作用: 眠気、だるさ、胃腸障害など
外用は鼻、目の刺激感

●抗ヒスタミン剤
使用法:花粉症シーズンに内服
作用:化学伝達物質であるヒスタミンの働きを抑制
副作用:眠気、だるさ、胃腸障害(眠気、だるさは特に多い)

●ステロイド剤
ステロイド剤は副腎皮質ホルモン剤ともよばれます。
強力な抗炎症作用をもつため、多くの難しい病気に効果があります。
花粉症などのアレルギー疾患にもよく効きます。
しかしよく効く分副作用も強く、従って、その取り扱いには慎重でなければなりません。
ステロイド剤には、外用薬と内服薬、注射薬があります。
点鼻薬は局所に作用するので、比較的副作用が少ないため使用されていますが、内服薬、注射薬の連用は、副作用が強いので特別 の場合以外は控えるべきです。

外用剤
点鼻薬:シナクリン
副作用:鼻内刺激感、不快感、乾燥感、嗅覚障害、頭痛、吐き気など

内服剤: セレスタミン、プレドニン
副作用: 胃十二指腸潰瘍、高血圧、糖尿病、肥満、白内障など、多くの副作用を起こしやすいので要注意。
特にもともとこうした病気のある方は禁忌です。

●アレルゲンにならす減感作療法
現代医学では、薬による対症療法のほかに、減感作療法が行われています。
これは花粉に対する過敏反応を弱めることをねらった、一種の免疫療法です。

減感作療法のやりかた
アレルゲンである花粉のエキスを薄めた液を定期的に皮下注射し、だんだん濃くしていきます。
複数の花粉がアレルゲンの場合はそれらのエキスを混ぜて注射します。
週1回のペースで1年ぐらい続け、その後ペースを落とします。
全部で3年以上続けます。

副作用
・注射部の皮膚の赤み、腫れが強く出すぎる
・花粉症の症状を悪化させる場合がある
・血圧が低下して顔面蒼白で息苦しくなる
このような場合は、注射濃度を再考するか、中止します。

問題点
・治療に根気と時間が必要
・喘息治療で行う、ハウスダストの減感作療法に比べて効果が劣る

◆◆◆◆◆◆◆◆東洋医学的に捉えた花粉症◆◆◆◆◆◆◆◆

▼東洋医学的に花粉症を捉えた時に関係する臓腑を見てみましょう。
※肺を中心に協同して働く臓腑が弱まるとアレルゲンが侵入しやすい身体の状態を作ってしまいます。

●肺: 肺は全身の皮膚表面を守る気を主る働きと、全身に水液を散布する働きを主っていますが、その働きが弱まってしまうと、皮膚表面 (鼻などの粘膜も含まれます)からアレルゲン(花粉症の場合は花粉)が侵入してしまいます。

●脾: 脾は、中医学では気血を生成するところであり、また、その作った気を肺に送り、肺から全身に散布させるという働きを主っています。
ひの機能が弱ると、それは、肺の働きにも影響を与え、身体がアレルゲンに侵入されやすい状態になってしまうのです。

●腎: 腎には大切な働きがたくさんありますが、その中のひとつに、気を納める、「納気」という働きがあります。肺は呼吸を主っていますが、腎は深い呼吸特に吸気を主っており、肺と腎は互いに影響して呼吸活動と水液代謝の働きをしています。
腎の納気作用が弱まると、肺の気を全身に散布する力が弱まり、アレルゲンに侵入されやすい状態になってしまいます。


▼東洋医学的に花粉症の症状を捉え、その症状がどのような病理で発症しているのかを見てみましょう。

@ 鼻がむず痒い → 侵入した邪気(アレルゲン)と正気の抗争によっておこります。

A クシャミ → 肺気が邪気(アレルゲン)に抵抗し、邪気(アレルゲン)を追い出そうとする症状です。

B 鼻水 → 肺の全身に気を散布する機能が失調したため、水を下降させて排出することができない症状であり、透明な鼻水は、身体に寒邪があることを示し、粘りのある鼻水は、熱邪があることを示します。

C鼻づまり
  邪気が上から侵入して、肺気が全身に散布されずに、鼻が塞がれてしまった状態です。
  鼻水は停滞して肺の気の流れが悪くなり、鼻がつまります。
  鼻で正気と邪気の抗争がおきて、鼻づまりがおきます。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆東洋医学で分けるタイプ別花粉症◆◆◆◆◆◆◆◆◆

東洋医学では症状別に花粉症のタイプを分け、その方の体質に合わせて治療します。
まず、タイプを見てみましょう。

●くしゃみと鼻水タイプ(風寒証)
・くしゃみが連発し、その後で透明の鼻水が多く、黄色、青色の鼻汁は出ない
・朝起きてからしばらくは、症状が激しい
・冷たい風にさらされると、症状が誘発しやすい

●くしゃみ、鼻水と冷え性、疲れやすいタイプ(風寒陽虚証)
頻繁に出るくしゃみ、多量の鼻水、鼻づまり、鼻がむずがゆい、目がかゆい、涙が出る
冷え性で寒がり
スタミナがなく、すぐに疲れる
寒冷刺激や疲労が鼻症状を誘発させる

●ストレスで悪化タイプ(風寒気欝証)
・会社でストレスがたまると、鼻症状が悪化
・鼻、目、喉、耳に詰まり感、渋り感が強い
・精神不安定 ・寒さやストレスで症状が悪化しやすい
・各種の薬で、胃腸の具合が悪くなりやすい

●黄色い目ヤニと鼻汁タイプ(風熱証)
・目ヤニ、鼻汁、痰などの分泌物は、黄色く粘っこい
・くしゃみ、鼻水は少なく、鼻詰まりが強い
・鼻や目に熱感、喉、目、顔が赤い
・暑いところにいたり、温風にあたると症状が悪化する

●喉、口、鼻が乾燥タイプ(燥熱証)
・鼻づまり、鼻、喉、口の中が乾燥してガサガサになる
・唇が乾燥して、割れる、鼻や喉が痛む
・から咳をする、痰は出ても少量で、黄色く粘っこい
・暑がり、喉の渇きが強く、冷たいものが欲しくなる

●だるくてすぐに疲れるタイプ(気虚証)
鼻水、鼻づまりは激しくない ・疲労倦怠感が著しくなり、いつでも横になりたい気分
胃腸の働きが悪くなり、食欲が低下する

●寒がりの冷え性タイプ(陽虚証)
・寒がり、冷え性、寒冷刺激で症状が悪化する
・スタミナがなくなり、だるくて疲れやすい
・胃腸の働きが悪くなる、下痢もしやすく、おなかも痛む
・鼻の症状は激しくない


◆◆◆◆◆◆◆◆◆当院での治療について◆◆◆◆◆◆◆◆◆
当院では、上記のようにその方の症状を問診でうかがい、舌、脈の状態から、その方の体質と花粉症のタイプを判断します。
その上で、花粉症の辛い症状を緩和する治療を行いながら、その症状が起きている本当の原因である体質を改善する治療を行ってまいります。

毎年花粉症の症状で悩まれている方は、だいたい1月ぐらいから治療をされることをおすすめします。
そして、本格的な体質改善を行いたい方は、3ヶ月ぐらい集中的に週に2回ぐらいの治療をされるか、週1回の治療ならば、漢方薬あるいは、家庭灸の併用をされることをおすすめしています。
そして、1〜2年は、花粉の飛散していない時期に、月に2回〜4回ぐらいのペースで、お手当てをすると、花粉所の時期になっても、花粉症状が起こりづらくなりますし、起こっても軽い症状ですむ場合が多く、人によっては、全く起こらなくなるケースもあります。
まずは、お気軽にお電話でご相談ください。


●●●●●●花粉症はどうしてこんなに増加したのでしょうか?●●●●●●

花粉症といえば、ごくありふれた日常の病気のイメージが定着したようです。
ところが、意外なことに、花粉症は戦後に初めて医師によって報じられた新しい病気です。
1960年代前半にブタクサ花粉症、ついてスギ花粉症の患者がみつかりました。
それから、わずか30年間で花粉症(特にスギ花粉症)は爆発的に増加しました。

●増加した原因
スギの増加
戦後に大量植林されたスギが伐採されずに開花適齢期になっているため、春のスギの花粉の散布量 が増加している。

●排気ガス、大気汚染
排気ガスなどで汚染された大気中のたくさんの微粒子が花粉症の発症を促進する。

●食環境の変化、食品汚染
食生活の変化にともなってたんぱく摂取量が増加したこと、食品が添加物などで汚染されていることなどから、アレルギーを起こしやすくしている。

●住宅環境の変化
住宅やオフィスの近代化に伴い、通気性の少ない、ダニ、カビの温床を作り、アレルギーを起こしやすくしている。

◆◆◆◆◆◆◆◆ 自分でできる花粉症対策 ◆◆◆◆◆◆◆◆

原因となる花粉をなるべく避けること
・ 原因植物の分布を知り、なるべく近づかない
花粉は遠くまで飛散されますが、近いとよけいに多く飛んでいます。
花粉情報に基づき、外出スケジュールを調節する。
風が強く晴れた日には花粉の飛散量が多くなりますので特に要注意です。

花粉マスク、メガネの使用
・外出後にには洗顔、手洗い、うがいをして衣服をよくはたく
・洗濯後の干し物はよくはたく
・室内の清掃をこまめに

体力低下を防ぐ
・充分な睡眠
・規則正しく栄養バランスの良い食事
・アルコール、タバコを控える
・ストレスをためない工夫

花粉症でお悩みの方、早めのお手当てをお勧めいたします。
ご質問等ございましたら、お気軽に当院までご相談ください。

 


home

Copyright2002 by YANG CHINESE MEDICINE CLINIC .all rights reseserved.
This material may not be copied without written from
YANG CHINESE MEDICINE CLINIC.