こんにちは。
今回は妊娠中によくあらわれる様々な症状について、中医学ではどのように捉え、治療をしていくのかをお話していきたいと思います。
「妊娠中にハリ!?」と驚かれ、心配される方もいるかと思いますが、機能的な疾患は、鍼灸の得意とするところです。
「症状がつらい。でもお腹の胎児のことを考えると薬の服用は極力避けたい。」という方、是非、鍼治療をおすすめします。
その際、しっかりと妊婦さんの体の状態を心得ており、信頼を持って受けることのできる鍼灸院であることが望まれます。

ここでは「つわり、いらいらしやすく怒りっぽい、便秘、むくみ、足のしびれやこむら返り、脇腹の張り」などの症状について紹介していきたいと思います。
習慣性流産や早産、逆子は、当院のHP上にあります「わかる東洋医学診断・まとめ」のページに、‘わかりやすい東洋医学理論’と題して、詳しく説明しております。そちらをご参照ください。
また、各項目別の最後の方で、日常生活の過ごし方、食事で不調を和らげる食養生などを紹介していきます。ご参考までに読んでいただけたらと思います。

【中医学的にみるからだのはたらき】
体の活動源である「エネルギー」、体の各組織に栄養を与える「血」、体を潤す「水」、これらの3つが体内に十分な量 で、スムーズに流れていることにより、体の中が正常な状態に保たれています。
しかし、妊娠中はこの「気・血・水」が不足したり、流れが停滞しやすくなります。そのため、不快な症状がぽつぽつと現れてくるのです。
★さらに、より深く中医学のからだのしくみについて、お知りになりたい方は当院HP上「わかる東洋医学診断・まとめ」のページに、‘わかりやすい東洋医学理論’として詳しく説明しております。そちらをご参照下さい。

〜つわり〜
つわりは妊娠4〜16週の時期にもっともよくあらわれます。
症状の軽重は個人差が大きく、ほとんど経験しない人もいれば出産直前まで続く人までとさまざまです。

<中医学で考えられている主な原因>
@ 日頃から胃が弱い方、思い悩むことが多い、神経質 ⇒胃虚タイプ
A イライラしやすく怒りっぽい方 ⇒肝熱タイプ
B 胃のあたりに冷えを感じ体の中に余分な水分が停滞してしまっている方 ⇒痰飲内停タイプ

<主な症状>

@ 胃の働きが低下している「胃虚タイプ」
吐き気、嘔吐、ひどいときは食べたらすぐに戻してしまう、食欲不振
、お腹がはりやすい、めまい、元気がでない、日中よく眠くなる

A 怒りやすいために、エネルギーがうまく循環せず、渋滞してしまう「肝熱タイプ」
酸っぱい水を吐く、または苦い水、胸や脇腹がはりやすい、頻繁にげっぷがでる、めまい、冷たい水を欲する、便秘、尿は濃い黄色

B 不要な水分がうまく体外へ排出されないために生じる「痰飲内停タイプ」
嘔吐、よだれや白っぽい痰がでる、みぞおちのあたりがはる、食欲がない、口の中がネバネバする、食べ物の味がしない、めまい、息切れ、足がむくみやすい


<治療及びタイプ別食養生>
@胃虚タイプ
鍼では胃の働きを健やかにしていく「降気和胃」、上にあがってしまった気をおろし、嘔吐を静めていく「降逆止嘔」という治療をしていきます。

〜適した食べ物〜
☆生姜黒糖茶:生姜は胃腸を温め、嘔吐をしずめる働きがあり、黒糖は不足しがちな 鉄分を補ってくれる働きがあります。
その他、なつめ、山芋

〜不適切な食べ物〜
生もの、冷たい飲料水や食べ物は、胃腸の働きを更に弱めてしまいますので、極力控えましょう。


A肝熱タイプ
鍼では体の中に滞ってしまったエネルギー(熱症状)を冷ましていく「清肝和胃」、上にあがってしまった気をおろし、嘔吐を静めていく「降逆止嘔」という治療をしていきます。

〜適した食べ物〜
☆ 緑豆粥:春雨の原料にもなる緑豆。体の中にこもった熱をさましてくれる働きがあります。
その他、きゅうり、冬瓜、梨、トマト、大根、ナス、レタスは体の中にこもった熱を冷ましてくれる働きがあります。
パセリ、春菊、シソの葉、みかん、ゆず、レモン、グレープフルーツ、ジャスミン茶、菊花茶など、香りのよい食べ物は鬱々とした気持ちを発散してくれます。


B 痰飲内停タイプ
鍼では体の中の余分な水分を取り除いていく「化痰除湿」、上にあがってしまった気をおろし、嘔吐を静めていく「降逆止嘔」という治療をしていきます。

〜適した食べ物〜
☆ 小豆(あずき)粥:小豆には利尿効果があり体内に溜まった余分な水分を排出してくれる働きがあります。
その他、はと麦、山芋、鯉(こい)、ジャスミン茶、杜仲茶、なつめ茶
鯉は利尿作用によりむくみを改善し、エネルギーの不足を補ってくれる働きがあります。また母乳の分泌も促す働きや産後の体力を回復してくれる働きがあります。
あまり食べ慣れないものですが、特に妊娠中・産後の女性にとっては重要な食べ物です。

〜不適切な食べ物〜
生もの、冷たい飲料水や食べ物は、さらに水分代謝の低下をまねき、症状を悪化させてしまいますので極力控えましょう。


〜イライラしやすく怒りっぽい症状、足のしびれやこむら返り、お腹の張り感が強いなどの症状がある〜
上記の症状について、お話しをしていく前に中医学のからだのしくみについて、少し述べていきたいと思います。
中医学では、体のすべての器官や機能はすべての臓器と密接な関係があります。感情面 での怒りという症状は「肝」に属します。
この「肝」は西洋医学で捉えられている肝臓の働きとは異なりますので、これから説明していきます中医学的な「肝」の働きと混同しないように注意して下さい。

〜「肝」の働きとは〜
中医学でいう「肝」の働きには@血を蓄え、A全身の「気」のめぐりをコントロールし精神・情緒を安定させる作用や筋肉の働きを維持する働きがあります。
「肝」が支配している器官には、目や爪、手足の筋肉などがあります。
以下に、肝の主な働きである血の貯蔵と気の流れが、なぜ乱れやすいのかを解説していきたいと思います。

〜全身に現われる血不足のサインとは???〜
中医学で捉える「血」とは、気とともに流れ栄養分を運び、組織・器官に潤いを与えます。
妊娠中は「血」の消耗が激しくなります。そのため血の不足やめぐりの悪さからくる症状が現れやすくなります。
髪の抜け毛が多くなる、肌や髪がかさつく、目が乾きやすい、爪が割れやすい、手足をつりやすくなるなどといった症状は、全体的に血が不足しているサインであり、肝が支配している目や爪、筋肉に現われる症状はその中でも特に「肝に蓄えられている血が不足していますよ。」というサインを発しています。
肝に蓄えられている血は、夜寝ている間に作られるため、肝を養うためにも睡眠は大切です。しかし、血の不足した状態では、なかなか寝付けない、眠りが浅くよく夢をみる、夜中に何度も目が覚めるなど不眠の症状が出てきます。妊娠後期はお腹が大きくなって寝返りがうてない、トイレに何度も起きるなど睡眠不足の状態が続きます。そのため、イライラ感が増しやすくなってしまいます。

<治療法>
血を増やし、血のめぐりをよくしていく治療をしていきます。

<日常生活の過ごし方>
血の消耗につながる目の使いすぎには気をつけましょう。
例:パソコンの使いすぎ、テレビの見過ぎ、読書のし過ぎ、夜更かしの生活など。
汗は血から作られるため、大量の汗をかくことは血の消耗につながります。
温泉のつかり過ぎやサウナなどは、血を消耗させるだけではなく、体が温まり過ぎると、血の流れも盛んになり胎児が下に押し出されてしまいます。
長時間の入浴は避けましょう。
 
血行を悪くする冷たいものの摂り過ぎや、体を冷やす薄着には気をつけましょう。
例:夏場の冷房、冬場の寒さや生野菜の摂り過ぎなど。

<適した食べ物>
血を補う食べ物:もち米、小豆、黒豆、ほうれん草、小松菜、動物のレバー、黒ごま、くるみ、なつめ、レーズン、プルーン、ブルーベリー、龍眼茶、クコの実茶
血の流れを良くする食べ物:黒豆、あぶらな、にんにく、にら、しょうが、ねぎ、とうがらし、らっきょう


〜気の流れの乱れとは???〜
心がリラックスし、気持ちが伸びやかな状態のとき、気の流れは滞ることなく、スムーズに流れています。この気の流れを調節、管理しているのが「肝」の働きになります。
しかし精神的なストレスを受けると、気の流れが滞り、肝の機能を低下させてしまいます。
妊娠中は、肝のエネルギーが流れている部位である胸やお腹、脇腹に張りや痛みを訴える方がいます。これは「気滞」といい、気の流れが滞ってしまったためにみられる症状です。
気のめぐりは、ストレスや緊張といった精神状態と深く関係があり、特に仕事をしている方に多く見られます。
そのほか、お腹にガスがたまる、イライラする、不安感が強いなど気滞による症状がみられます。また、これらの症状がみられないけれど、お腹が張るなという方は、‘冷え’が考えられます。
冷えにより、血行が悪くなってしまっているため張りを感じるタイプです。

<治療法>
肝の気のめぐりをスムーズにし、滞りを改善していく「疎肝解鬱」の治療をしていきます。

<日常生活の過ごし方>
妊娠中は、お腹が大きくなるため、気の流れは滞りがちになります。
しかしお腹の痛みや張りが強いとき、働いている方であれば、‘休養をとる’ことが一番の薬になります。そうすることにより、家では気持ちもリラックスし、緊張もほぐれやすいため気滞症状が緩和するのです。
その他、軽い散歩やヨガ、ストレッチなどは、適度に気のめぐりを良くする働きがあるため、体の状態が良くなることはもちろんのこと、心もリラックスした状態を感じることができます。気分がのらない日や体調が思わしくないときを除いては、定期的に続けたいものです。

<適した食事>
春菊、三つ葉、みょうが、シソの葉、パセリ、セロリ、みかん、ゆず、レモン、グレープフルーツ、ジャスミン茶、など香りのよい食べ物は鬱々とした気持ちを発散してくれます。

〜妊娠中の便秘〜
妊娠をしている体は、便秘をしやすくなります。便秘にもいくつかのタイプがあり、その人の症状に合った治療が大切となります。そのため、世間でよく聞かれる「〜の食べ物は便秘を解消する!」といったことは、すべて方の便秘症に効くというものではありません。個々の体質に合ったものでなければ逆に悪化させてしまうおそれもあるのです。
例としまして、冷えタイプの便秘症の人が、体を冷やす果物や生野菜を摂取して、便秘を解消しようとしても、便が出ないばかりか、さらに体の中に冷えをつくり助長させてしまうのです。
以下、タイプ別の特徴を参考に、ご自分にあった対処法を見つけ出してみて下さい。

<中医学で考えられる主な原因>
@ガスが多くお腹が張りやすい ⇒ 気滞タイプ
Aお腹が冷えている ⇒ 寒タイプ
Bお腹に熱がこもっている ⇒ 熱タイプ
C腸の潤いが不足している ⇒ 血の不足タイプ
Dパワーが不足している ⇒ 気の不足タイプ

<特徴的な症状>
@ エネルギーが滞っている「気滞タイプ」(詳しくは1つ前の項目を参照してください)
お腹が張りガスやげっぷがよくでる、ひどくなるとお腹がはって痛む、イライラしやすい、胸が張る
A 体が冷えているために、腸の働きが低下し排出困難になる「寒タイプ」
寒がり、手足が冷たい、夏でもクーラーに当たるのを好まない、尿の量 が多く、その色は透明で澄んでいる、体を温めると気持ちがよい
B 辛いものや油っこいものが好きな方に多くみられる「熱タイプ」
大便は乾燥し硬くなっている、お腹が張って苦しい、体がほてる、のどが渇きやすい、尿は濃い黄色で量 は少ない
C 妊婦さんに多くみられる「血の不足タイプ」
コロコロ便、肌や髪のつやがない、貧血を起こしやすい、立ちくらみ、動悸、こむら返り、口やつめの色が淡い白
D 気が不足しているため排出する力がない「気の不足タイプ」
排便後に疲労感がある、便は最初硬くあとから柔らかくなる、
便意があってトイレに入るがなかなかでない、やる気が出ず、疲れやすい


<治療及びタイプ別食養生>
@ 鍼では、気のめぐりをよくし、お通 じをうながす「理気、潤腸通便」の治療をしていきます。
〜適した食べ物〜 便意をうながし、気のめぐりを促進させる食材
  大根、春菊、パセリ、シソ、みかん、ゆず、ジャスミン茶

A 鍼では、体を温め、冷えを取り除き、お通 じをうながす「温陽通便」の治療をしていきます。
〜適した食べ物〜 便意をうながし、体を温めて腸の働きを高めてくれる食材
  人参、しょうが、にんにく、ねぎ、にら、かぼちゃ、えび、ラム肉、くるみ、杜仲茶

B 鍼では、体の中にこもっている熱を取り除き、お通 じをうながす「清熱潤腸、通便」の治療をしていきます。
〜適した食べ物〜 便意をうながし、熱を冷ますような性質のある食材
  バナナ、柿、梨、たけのこ、きゅうり、レタス、セロリ、なす、果 物、生野菜全般

C 鍼では、血を補い、腸の潤いを高める「養血潤腸」の治療をしていきます。
〜適した食べ物〜 血をつくり、腸壁を潤してくれる食材
  もち米、小豆、黒豆、ほうれん草、小松菜、動物のレバー、黒ごま、くるみ、なつめ、レーズン、プルーン、ブルーベリー、龍眼茶、クコの実茶

★潤い=水分ではありませんので、たくさん水を飲むだけでは潤せません。適度な水分をとることは必要ですが、がぶ飲みは胃腸の働きを弱めてしまう原因にもなりますので気をつけましょう。


D 鍼では、気を補う「益気・潤腸」の治療をしていきます。
〜適した食べ物〜 体力をつけ便のすべりをよくする食材
  粟米、大豆、牛肉、鶏肉、烏骨鶏(ウコッケイ)、山芋、じゃがいも、人参、なつめ、杜仲茶


〜妊娠中のむくみ〜
最後の項目になりましたが、最後は「妊娠中のむくみ」を取り上げていきたいと思います。女性では、足がむくむなど、大体の方が経験をしている症状ですが、妊娠中のむくみとなると、「むくみ=妊娠中毒症」という連想が浮かぶのではないでしょうか。
少しのむくみでも気になったり、不安になったりしますが、妊娠中毒症につながるようなむくみは、そう多くはありません。
しかし、不快な症状の一つでもありますし、快適な妊娠生活を送る上で、改善しておきたい症状であります。

中医学では、むくみが上半身に現われるか、下半身に現われるかを診断の目安の一つとしてみていきます。顔や手指などの上半身のむくみは、午前中に起こりやすく、体の水を全身に運び出す「気」の不足のために起こります。
一方、腰や足など下半身のむくみは、夕方に起こりやすく、「血」と「水」両方のめぐりが悪いために起こります。これは体の上部に戻っていかないという状態になるためです。
そして朝夕ともにむくみがひどいのは、「気」と「血」ともに不足している状態になります。特に妊娠中、問題になりやすいのは、下半身のむくみになります。この下半身のむくみの原因は主に、胃腸の働きが低下してなる場合と、体の中が冷えているために、引き起こされるむくみであると考えられます。
ここでは、妊娠中に起こりやすい下半身のむくみを中心にお話ししていきたいと思います。

<主な症状>
@ 胃腸機能の低下により余分な水分がたまる 「水湿困脾タイプ」
慢性的に出ている全身のむくみ、手足からむくみはじめ、とくに下半身がむくむ、体が重だるい、頭が重い、食欲がない、吐き気がある、食べ物の味がしない、軟便傾向、白い痰がでる、尿は少ない

A 体の中を温める、陽のエネルギーが不足しているために、不必要な水分を体外へ排出する力がない「腎陽虚タイプ」
むくみは下半身からはじまることが多い、腰以下とくに内くるぶしに著しい、腰や膝が重だるく、力が入らない、手足の冷え、尿は少なく色は薄い

<治療及びタイプ別食養生>
@ 鍼治療では、体内の余分な水分を排出させ、胃腸機能を高めていく「健脾利水」の治療をしていきます。
〜適した食べ物〜  体内の余分な水分の排出を促す食材
  緑豆、小豆、黒豆、へちま、冬瓜、とうもろこし、はと麦、鯉(こい)、杜仲茶

A 鍼治療では、体全体を温める働きのある腎機能を高め、余分な水分の排出を促す「温補腎陽・利水」の治療をしていきます。
〜適した食べ物〜  温める力を増やし、余分な水分の排尿を促していく食材
  もち米、ラム肉、えび、にら、ねぎ、しょうが、にんにく、ししとう、かぼちゃ、栗、くるみ、シナモンティー、ジンジャーティ、杜仲茶

 

<日常生活の過ごし方>
@ 水湿困脾タイプ
塩分を控えめにすることはもちろんのこと、甘いものや味付けの濃いもの、油っこい食べ物は控えましょう。
冷たい物(アイスやジュース)は流れを阻みますので、避けましょう。
運動は規則的にじんわり汗をかくくらいのウォーキングなどがおすすめです。汗だくになってやる必要はありません。無理のない範囲で行ないましょう。
梅雨の時期は湿気の影響を受けるので、特にこの時期は食べ物に気をつけましょう。

A 腎陽虚タイプ
冷えやすい下腹部や腰部はしっかり温めましょう。 薄着を避け、夏場はクーラーから、冬は寒気からくる寒さを、防寒でしっかりガードしましょう。
体を温める食べ物を適度に摂るよう、心がけましょう。
運動は規則的にじんわり汗をかくくらいのウォーキングなどがおすすめです。汗だくになってやる必要はありません。無理のない範囲で行ないましょう。
梅雨の時期は湿気の影響を受けるので、特にこの時期は食べ物に気をつけましょう。


〜最後に〜
さて、見ていただきましたように中医学では「便秘」ひとつをあげてみても、様々なタイプがあり、それぞれに合った治療方法が大切であることがわかっていただけましたでしょうか。そして、タイプは1種類だけではなく、複雑に症状が絡み合っている場合も少なくありません。その際、何が根本的な原因で他の症状を誘発させているのかなど、細かい分別 が必要になってきます。皆さんの中で、症状に悩み、どのタイプも少しずつ当てはまるのでわからないという方は、お気軽にご相談ください。
またここでは、詳しく述べていませんが、逆子を治す際によく使われるツボとしまして、「三陰交」があります。このツボの作用は、子宮を収縮させる働きがあります。そのため、強く押しすぎたりしますと、胎児を下におろしてしまう可能性がありますので、気をつけてください。その他、三陰交と同じような働きをするツボがいくつかあります。使われる際は、一度信頼のできる鍼灸師の先生にご相談されることをおすすめします。

このほか、当院では産後の肥立ちをよくする体力の回復をうながす治療をはじめ、母乳が出づらい、抜け毛など血の不足による症状の改善なども行なっております。


=本来の東洋医学の治療の姿に関して一言=

当院では局所治療に限定せず、あくまでも身体全体の治療・お手当てを目的としております。
例えば、ギックリ腰や寝違いといった急激な痛みに対して、中医鍼灸の効果 は高いですが、これも局所の治療にとどまらず全体的なお手当てを行なっているからなのです。
急性の疾患にせよ慢性の疾患にせよ、身体の中で生じている検査などには出てこない生命活力エネルギーのバランスの失調をさぐり見つけ出すことで、お手当てをしております。
ゆえに、慢性の症状を1〜2回の治療で治すというのは難しいのです。
西洋医学で治しにくい病・症状は、中医学(東洋医学)でも治しにくいのは同じです。
ただ、早期の治療により中医学の方が治し易い疾患もございます。
例えば、顔面麻痺・突発性難聴・頭痛・過敏性大腸炎・不眠・などがあります。
大切なのは、あくまでも違う角度・視点・診立てで、病・症状を治してゆくというところに中医学(東洋医学)の意味合いがございます。

当院の具体的なお手当てとしては、まず、普段の生活状況を伺う詳細な問診や、舌の色や形などを見る舌診などを行い、中医学(東洋医学)の考えによる病状の起因診断を行います。これは、体内バランスの失調をさぐり見つけ出すために必要な診察です。この診察を踏まえたうえで、その失調をツボ刺激で調整し、元の良い(元気な)状態へ戻すことが本来の治療のあり方です。
又、ツボにはそれぞれに作用があり、更にツボを組み合わせることで、その効果 をより発揮させる事が出来ます。

しかしながら、どこの鍼灸院でもこの様な考えで治療をおこなっているわけではありません。一般 的には局所的な治療を行なっている所が多いかと思います。

さて、もう一点お伝えしたいことが御座います。
当院では過去に東洋医学の受診の機会を失った方々を存じ上げています。
それは東洋医学に関して詳しい知識と治療理論を存じ上げない先生方にアドバイスを受けたからであります。
この様な方々に、「針灸治療を受けていれば・・・」と思うことがありました。
特に下記の疾患は早めに受診をされると良いです。
顔面麻痺・突発性難聴・帯状疱疹・肩関節周囲炎(五十肩)
急性腰痛(ぎっくり腰)・寝違い・発熱症状・逆子
その他、月経不順・月経痛・更年期障害・不妊・欠乳
アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎、など
これらの疾患はほんの一例です。
疾患によっては、薬だけの服用治療よりも、針灸治療を併用することにより一層症状が早く改善されて行きます。
針灸治療はやはり経験のある専門家にご相談された方が良いと思います。

当院は決して医療評論家では御座いませんが、世の中で東洋医学にまつわる実際に起きている事を一人でも多くの方々に知って頂きたいと願っております。

少しでも多くの方に本当の中医鍼灸をご理解して頂き、お体のために役立てていただければ幸に思います。

 


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