梅雨の養生法

蒸し暑くてじめじめ、なんだか食欲もわかないし、やる気もわかない。
足はむくんでしまうし、お腹の調子もいまいち。
腰も重だるくて痛いし、梅雨なんて本当にいいことない。

そんな気分に梅雨はなりませんか?

梅雨の嫌な気分の正体、それは『湿邪』です。

字面からして嫌な感じですよね。
湿邪の『邪』は、邪魔の『邪』。
そう、『湿邪』は体にとっていらない、邪魔なものなのです。

もちろん適当な湿気は人間の体には必要なものです。
もし、人間の体に湿り気がなければ極端な話干からびて死んでしまいます。
しかし、反対に湿が多すぎても、体にとって良くない状態なのです。

特に梅雨の季節は、湿が多い時期です。
自然界に湿が多いと、体の中にある余分な水分=湿は外に出にくくなります。
体の代謝がうまくいっていれば、それは汗や尿などで外に出すことが出来るのですが、なにかしら体に不具合があると、湿をうまく体から出すことができず、結果 、湿が体に溜まり邪となり、体にいろいろと悪影響を与えてしまうのです。

『湿邪』は、下に流れる性質があり、また、ねっとりとして停滞しやすい性質を持っています。
足のむくみや腰が重だるいなど下半身に症状が出やすいのはそのためです。
また、この『湿邪』が、体のエネルギーの通り道である経絡に停滞すると、《通 じざるは痛む》の、中医学の原則により神経痛や関節痛が悪化するのです。

そして五臓のなかでこの『湿邪』を一番苦手とするは、脾なのです。
脾は湿邪が大の苦手で、体に湿があると、脾の働きである消化吸収と水分代謝がうまくできなくなります。お腹の調子が悪くて下痢をしたり、食欲不振になったりするのは脾が湿に邪魔されて本来の働きが出来なくなるからなのです。

湿邪を体から追い出そう!

湿邪によって体が変調をきたしているのならば、その湿邪を体から追い出せばいいのです。
これが、梅雨の時期の養生で一番大事なことと言えます。
では、その為にはどうすれば良いのでしょうか?

@『汗をかくこと』
散歩・ストレッチ・呼吸法などの軽い運動で汗をかきましょう。
お風呂もシャワーではなく、湯船にゆっくりと浸かって半身浴などで汗をかきましょう。汗で体内の湿邪を追い出すのが目的です。

A『体を冷やさない』
暑いからといってクーラーの効いた部屋ばかりにいると、汗をかくことがなく、結果 湿邪を追い出すことができません。
そうなると・・・・、もうおわかりですね。湿邪が体にたまってますます体調がすぐれない状態になりかねません。
また、刺身や生野菜、冷たい飲み物はとり過ぎに注意しましょう。
体が冷えると代謝が悪くなり、汗のかきにくい体になってしまいます。
この季節だからこそ、なるべく温かくて消化の良いものを食べるよう心掛けましょう。

B『飲み過ぎに注意!』
喉が渇きやすい季節です。またビールがおいしい季節でもあります。
でも、ちょっと待って。飲み過ぎは、体内に余分な水分を溜めてしまいます。
喉が渇いたな、と感じた時、冷たい飲料水をガブ飲みするのではなく、温かい飲み物を少しずつ飲むと量 もそんなに多く取ることなく、喉の渇きもとれます。
また、冷たいものはお腹に負担がかかりますので、そういう意味でも一石二鳥です。
ビールなどのお酒はほどほどに、おいしいからと言って飲み過ぎないでくださいね。

C『旬のもの、香りのよいものを食べる』
夏野菜は、体の余分な熱をとり、また余分な水分を尿にして体内から出す作用があります。きゅうり、トマト、ナス、西瓜、とうもろこし、冬瓜、ゴーヤ、カボチャなど。ただし、そのまま食べると体を余分に冷やしてしまう可能性があるので、調理して食べることをお勧めします。
また、葱、ショウガ、ニンニク、大葉、薄荷、みょうがなどの香りの強い野菜もこの季節にはぴったりです。香りによって食欲も増しますし、香りの強いものは滞っているものを通 す力があります。性質も体を温めるものが多く、発汗力もあります。

D『ツボ押しいかがですか?』
ツボにはいろいろな性質があるのをご存知ですか?イライラを鎮める性質を持つツボやお腹の調子を整えるのが上手なツボ、眠れない時に押すと眠りを誘ってくれるのが上手なツボetc。
そういったツボの性質を知ると生活の中でツボを上手に取り入れることが出来ます。
今回のテーマである梅雨の養生に得意なツボももちろんあります。

それではご紹介しますね。

陰陵泉− 膝下内側にある太い骨の真下、むこうずねの内側にあります。
陰陵泉はたくさんあるツボのなかで、湿をさばくのが一番上手なツボです。
梅雨の時期、また普段むくみやすい人の強い味方です。

三陰交− うちくるぶしから自分の指四本分上にあります。
五臓のうち、女性にとって重要な肝・脾・腎を整える性質があります。
なので、むくみだけではなく、女性の疾患にとても強いツボです。

足三里− 膝のお皿の外側にある窪みから自分の指四本分下にあります。
ツボ界の万能選手!たくさんの得意分野を持っています。
胃腸の働きを整え、水分代謝を良くしてくれます。
健康養生に効くツボですので、普段からここをグッと押すと・・・Goodです。

照海− うちくるぶしのすぐ下の窪みにあります。
腎臓の働きに関係するツボで、体内の水分調節に働くツボです。

水分− おへそから親指1本分上にあります。
大腸に働きかけてお腹の水分調節をします。お腹の調子がイマイチの時押してみてください。

関元− おへそから自分の指四本分下にあります。全身のエネルギーの流れを良くし、元気を出してくれ、体を温める作用があります。また、水分代謝を良くする働きも得意です。

痛いけど気持ちいいほどの力で3分ほど押してみてください。
テレビを見ながら、湯船に浸かりながら、仕事や家事の合間のリフレッシュに、『ツボ押し』、いかがですか?

☆おまけ☆ 『梅雨の時期の強い味方、ハト麦』
ハト麦は、漢方で『薏苡仁』という生薬として使われるほど効能の高い食材です。体の水分や血液の代謝を促進させ、水分代謝が活発になることで尿の出を良くし、むくみが解消されます。雑穀米としてスーパーなどで売られています。ご飯と一緒に炊いて食べると美味しいですよ。また、『ハト麦茶』としても売られていますので、毎日の飲み物として飲むのはいかがでしょうか?

蒸し暑くてじめじめとして気分もふさがりがちな梅雨の時期・・・。
そんな時期だからこそ、しっかり養生して元気に乗り切りましょう!

 


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