【現代医学的アプローチ】  
肥満は、内分泌異常・代謝異常によって引き起こされる以外は、日常生活における食事の摂取の仕方に問題があり、カロリーの摂取過剰が原因の場合が主になります。
要するに、過食により、その日の体動、エネルギー消費よりも多い場合、残存するカロリーが肥満につながると考えます。
ですから、肥満の原因となる病変さえなければ、一般には、過食が最大の原因であります。  
肥満には、一次性肥満と二次性肥満とに分けて考えられます。
一次性は、体質・遺伝的なものが深くかかわり、二次性は、後天的に食事量 の過食などにより起こるものとされて居ます。  

《治療方法》  
1)食事療法、カロリー制限  
2)運動療法、毎日欠かさぬ運動、運動後の摂食制限  
3)精神療法、食欲中枢抑制  
4)薬物療法、入院観察が必要

1.甲状腺ホルモン:

2.食欲減退剤  :
チロキシン
トリヨードサイロニン
蠕動分泌減退薬(アトロピン)

 統計の示すところによりますと、太っている人は標準体重の人に比べ、糖尿病・高血圧・ 動脈硬化・心臓病・痛風・肝臓病・胆石・骨や関節など色々な病気にかかりやすいです。  
 肥満の原因は、きわめて特殊な場合、視床下部に腫瘍があって食欲が異常に亢進してしまうとか、ホルモン系治療薬の使い過ぎを除いて、単純明快で、要するに、食べ過ぎと運動不足が二大原因です。
現代医学でも、治療は、減食療法が基本です。しかし、これが非常に難しいのです。食欲は、人間の欲望のうちでも最大の欲であるため、これを規制するのは、きわめて困難です。
かなりの自覚を持つことが大事です。治療のポイントとなります。

【中医学的なアプローチ】  
 中国では、肥満症を「肥胖証」と称しています。
また、古代では肥満した方を「肥貴人」と呼び、肥満体は裕福な生活を送っている方々の 象徴で、病気としては見てなかったです。  
 中国医学的な考えでは、内因・外因とに分けられ、内因は個人の人体の各種素因があり、 特に脂肪代謝の調節失調などが起因となります。遺伝・神経・精神・物質代謝と内分泌の 失調等です。外因は、主に飲食過多と運動不足です。
中国医学の認識では、肥満症は、脾と胃の働きが功能に密接な関係があると思われてます。

肥満症のタイプ別を述べましょう。
1.脾胃倶旺タイプ : 脾胃の働きが非常に強く、多食で且つ運動不足、或は運動したがらない方に多く見られるタイプです。要するに、カロリーエネルギーの消耗があまりなく、その為、カロリーが蓄積され太ってしまうタイプです。

2.脾胃虚弱タイプ : 中国医学では、胃の働きが弱いタイプの方は、食が細くなり、 また脾とは、胃で消化吸収された栄養物質を活力に変え、全身に栄養を運び流す作用のある臓器ですが、脾胃虚弱タイプですと、これらの働きが弱くなることにより、代謝が低下して、逆に肥満助長してしまうことがあるのです。

3.真元不足タイプ : 元気の不足しているタイプの方、或は高齢で体力が消耗し、その為にカロリーの消出がしづらくなり肥満になってしまう、或は体が冷え、体内の水液を気化する機能が低下してしまい、全身に水が滞り、浮腫んだ様な肥満体になるタイプです。

4.オ血タイプ : オ血は現代病の原因の1つであり、オ血には脂肪が含まれており、 オ血が蓄積されて行くと、体も酸性化して行き、脂肪太りとなりやすいです。肥満症と共に、高脂血症・狭心症・高血圧などの合併症が見られやすいタイプです。  

 当院では、肥満症の為に受診される方があまり多くありません。一般 的に、耳ツボダイエットへ行かれるのが多いのでしょうか!?
問い合わせで、耳ツボダイエットはされてますか?とかの問い合わせは時々ありますが、 当方の所では、耳ツボだけでのダイエット治療は行なっておらず、基本的には体質を把握しての全身治療となり、なかなか理解を得られない事が多く残念です。実際の話し、耳ツボ刺激だけで体重を減量 させて行くのは、なかなか難しいと思います。やはり、本来は総合的な治療と体質改善が必要と思います。体質によって、耳ツボ刺激だけで体重の減量 出来る方も中には居りますが・・・・。  
 ダイエット治療の重要性は、体重増の為に体への負担予防、或は色々な生活習慣病などを引き起こしやすくなるので、それらの疾患を防ぐのに必要かと思われます。  
 若い方で無理なダイエットをされる方がおりますが、ダイエットをされる場合、無闇に素人感覚で行なわない様に注意されたし。女性の方では、無理なダイエットで無月経症を引き起こしたり、拒絶食症を引き起こす方がいますので・・・・。また、無理なダイエットの為、加齢時にそのつけが回って来る事が有ります。
ダイエットを行なうときは、専門家に相談された方が良いかと思います。

「タイプ別の養生のポイント」
● 脾胃倶旺タイプ: 過食を防ぐ為には、「気」をめぐらす作用のある香味野菜やスパイスを利用して下さい。“しそ・セロリ・春菊・クレソン・ニラ”といった野菜や、“バジル・パセリ・香菜”などのハーブ類、“クミン・カルダモン”といった辛くないスパイス類がおすすめです。また、全身運動(ジョギング、水泳など)で、汗をかいて気分をスッキリさせることも大切です。

● 脾胃虚弱タイプ: 体のエネルギー源である「気」が十分に生産されていないため疲れやすく、また、下半身が太りやすい傾向があります。
食材は、代謝を高め、しかも胃腸にやさしく働きかけ、「気」を補う作用のある雑穀・きのこ類がおすすめです。胃腸の働きを低下させる、冷たいもの・生もの・油っこいものは摂りすぎに注意して下さい。
食事のポイントは、朝食をきちんと摂ることです。「気」が不足しているので、朝食を抜くとスタミナが夕方まで持たなくなってしまいます。お粥など、温かく消化の良いものを適量 とり、体温を上げるように心がけて下さい。運動は、激しいものは不向きなので、エレベーターを利用せず階段を使うなど、毎日の生活の中で実行できるものから始めましょう。
そして、睡眠不足・夜更かしは「気」を消耗し、疲れやすく、太りやすい体をつくりますので、十分な睡眠が大切です。

● 真元不足タイプ: 加齢や、冷えにより生命エネルギーを守る「腎」の働きが低下しているので、腎を養う作用のある黒色の食材(黒豆・黒ゴマなど)や、オクラ・山芋・納豆など粘りのあるものを積極的に摂りましょう。
黒い食材は、ビタミンB群・ビタミンE・良質なたんぱく質を含み、ホルモンのバランスを整え、貧血を改善して血行を促進してくれる作用があります。代謝を良くするためには、体を冷やさないことも大切です。生もの・冷たいものは出来るだけ避けましょう。
“生姜・ねぎ・にんにく・唐辛子・シナモン・ターメリック”など、体を温める薬味やスパイスを上手に利用して下さい。
運動は、疲れが残るほど激しいものは「腎」を消耗してしまうので、ご自分の体力に合ったものを選んで下さい。「腎」の衰えは、下半身に表れますので歩くことが大切です。汗をかくことで水分代謝が改善され、体全体の調子も良くなるでしょう。

● オ血タイプ: 食事のポイントは、体内の余分な物質を取り除き、血のめぐりを良くすることです。油っこいもの・冷たいものは出来るだけ避けて下さい。
“にら・生姜・らっきょう”は老廃物の排出を促してくれ、また殺菌・抗酸化作用もあります。“納豆”は、発酵によって発生した酵素が、血栓を溶かしたり腸内の腐敗を解消してくれます。ねばねば食材は血液浄化を助けてくれるので積極的に摂りましょう。
血をめぐらせるには、体を動かすことが大切です。特に、骨盤で血行が停滞しやすいので腰を回す運動がよいでしょう。

★食べ物の性質を知って、ご自分に合った食材を見つけてください★
“楊先生のちょっとためになる話”のバックナンバー(2003/3/第6回 食べ物の「五味」と「寒熱」を知って健康づくり)に“食品便利メモ”があります。
食品の「寒・熱」「味の性質」「補う臓器」「効能」が出ておりますので、毎日の献立にお役立て下さい。

ご質問等ございましたら、お気軽に当院までご相談ください。

 


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