鍼灸治療体験談



                   (吉祥寺在住 女性の場合)

現代医学的アプローチ
 にきび(尋常性ざ瘡)(じんじょうせいざそう)とは、紅褐色の丘疹で面 疱を合併し、主に体表肌膚に出来るもののことを言います。また、結節や膿瘍に至るものもあり、これらの多くは疼痛を伴うと同時にざ痒を伴います。
 顔面、中でも前額、側頭部、それに胸部、背面、上半身に好発し、思春期前後の男女によくみられます。原因は男女性ホルモンのアンバランス、肝障害、胃腸障害、糖代謝異常、ビタミンA、B2の欠乏、刺激性の物質、栄養摂取量 過多などがあります。この他の直接原因として、皮脂の分泌過剰、毛孔の閉塞、皮脂の分解による炎症、化膿などがあげられます。

西洋医学的な治療
治療はホルモンの調整、原因の対処療法が主となります。
1)食事療法:脂肪過多食、糖分過多食、刺激性食事の制限
2)胃腸調整:生活習慣の改善、内服薬治療
3)薬物療法:肝保護剤、女性ホルモン、ビタミンA、B
4)局所療法:洗顔(薬効石鹸使用、頻回洗顔)
       面疱圧出、紫外線、赤外線照射

中国医学的アプローチ
 にきび(尋常性ざ瘡)は思春期から三十才前後まで、主に顔、胸部、背中などに発生する丘疹で、発赤、結節などの症状が見られます。ちなみに思春期に見られるにきびは、よほどひどい症状でなければ治療の必要はなく、生理的な現象として捉えることがあります。
 ただにきびという症状は一見表在性のものに見えますが、実は身体内部と深い関わりがあります。例えば女性の場合、月経不順などに伴いにきびを発症する方が多くいらっしゃいますが、その場合は月経不順をスムーズに改善することで、にきびの症状が改善されます。 また便秘の方も、便秘を正常にすることでにきびの症状が改善されます。
 というように、にきびは“身体内部の不調が表面に出て来たもの”ということができ、身体内部をケアしてあげることが重要だと言えます。

*にきびを発する原因・タイプについて*
【熱欝タイプ】
 このタイプは紅色で勢いの強いにきびが多発し、化膿傾向があります。圧すると白色の脂状物が排出して痛み、熱感を伴い、口臭、便秘などがあります。
 治療方法は、肌に溜まっている熱を取り抜いてあげ、かつ熱を外へ発散させて行くという手当てを行ないます。また、便通 を促す手当ても同時に行ないます。

【肝熱タイプ】
 精神的なストレス、怒り、緊張、こういったTストレスUに対して反応しやすいのが肝の気です。中国医学的な考えでは、肝の臓器の気エネルギーが渋滞を起こすと、気エネルギーがスムーズに流れなくなり熱を帯びて来ると考えています。この熱は上向きに上がって行く性質を持っているので、背中、上の方向(顔)、時に顔の両側ににきびが発生しやすくなるのです。
 また顔の頬というのは、肝の気のエネルギーの通り道になっています。その為ストレスや感情の波で肝の気の流れがスムーズに行かないと、肌表の新陳代謝が低下して、熱が肌にこもり、にきびが生じてしまいます。
 このタイプのにきびは散在性の紅色のにきびで、化膿傾向があり、女性では月経前に多発しやすくなります。症状としてはイライラ、怒りっぽい、のぼせ、火照りなどがあります。
 治療方法は、熱を分散させながら肝の気の流れを調整して行くという手当を行います。

【気血不足タイプ】
  熱欝タイプや肝熱タイプが長期的に長引き、それに伴う体力の消耗、或いは抗生物質や消炎剤を長期、反復服用による損傷、又は過労、大病などが原因で、本来体内にある活力エネルギーの気と血が不足して体内の代謝促進能力が低下し、にきびが持続してしまうのがこのタイプです。
 症状は淡紅或いは、正常色で丘疹、しこりが散在、内部で化膿し、圧すると破状します。疼痛、熱感は軽度であり、にきびが長年治癒せず、元気がなく、疲れやすく、食欲不振、顔色につやがないなどが伴います。
 治療方法は、元気を補う手当てと、血を滋養し治癒力を高める様にします。

【お血(おけつ)タイプ】
  気と血エネルギーが不足し、推動能力の低下、或いは他の病気が原因で血流が停滞し、お血が生じ鬱滞を助長する為、にきびが悪化し長期化するのがこのタイプです。
 症状はにきびが暗色〜紫紅色で、硬結、色素沈着、暗色の皮膚を伴い、舌の色が暗紫やお点、お斑がみられます。
 治療方法は血流をスムーズにしてあげる手当てを行ないます。

〈実際の治験例〉
吉祥寺在中 ・22才・女性

 彼女は知人の紹介で当院へ来られました。症状としては、ここ1〜2年でニキビが顔の頬の辺りに出たり治ったりのくり返しで、皮膚科を受診し、塗り薬を頂いて塗っていたのですが、なかなか症状が改善されず安定しない為、当院への受診を試みたということでした。
 この方は過去に何度か鍼の治療と肩凝りで受診されていた事がありました。今回、鍼の治療でニキビの症状が改善されるか分からないが、見て頂きたいと言うことでした。
 最初はこまかい生活状況の問診をしました。その後、脉の打ち方の状況を診、舌の色、型、苔の具合を診ていきました。結果 は、脉の打ち方はやや早く、舌の色も少々赤みが強いようでした。また、その方は性格は明るいのですが、ストレスを感じやすい方だとおっしゃっていました。
 この方はその時期、学業のテスト、レポート提出、就職活動などでストレスを感じており、ニキビや吹き出物が多く出てきて、便の方も少々便秘傾向だとおっしゃっていました。また時には、月経前に症状が増すこともあったと言うことでした。
 これらの一連の内容をまとめて中国医学的な診断をしますと“肝熱”によるニキビと判断できました。肝熱とは何かと申しますと、精神的なストレス、緊張、或いは悩み、過度の思慮などで起こる症状です。要するに気の流れがスムーズに行かず、停滞した為熱になってしまい、それが、上の方向(顔)に集まり停滞し、肌膚にとどまり、ニキビを生じさせてしまったのです。
 この方に対して清熱疏肝と言う治療方針を立てました。これはこもった熱を取り去り、肝の気の流れをスムーズにして行く治療方法です。 最初の二週間は、週2回づつ治療を受けに来て頂き、吸玉療法を併用して、体表から熱を分散させる作用のツボに吸玉 を施術し、熱を放散させる様に致しました。治療を受けて5回目位から紅色のニキビが消えてきました。さらに週1回づつの治療を受けて頂き、10回目位 には紅色のニキビは消え、化膿傾向も無くなり、気分の方もスッキリして来たということでした。この方はトータルで12回治療を受けられました。そしてニキビと共に便秘も改善されました。
 どんな疾患もそうですが、大切なのは崩したバランスを整えるということです。それによって表面 に出てきた症状を抑える治療だけでなく、根本を変える事ができ、根治につながるのです。ニキビに対しての鍼治療は速効性があると思います。今回の方のように、熱のこもったタイプのニキビに対しての鍼治療は特に速効性があります。にきびでお悩みの方 、質問のある方はメールでお気軽にご相談なさって下さいね。


*養生法として*
 ニキビの症状は、体の内面 から来ていることが多いものです。 ですから、便秘傾向の方は便秘を改善すると、ニキビも減少する事が多いのです。
 食生活で気をつけて頂きたいのは油っこい食べ物、例えば天ぷらなどの揚げ物やカロリーの高いもの、チョコレート、ケーキ、コーヒー、ココアなどは控え目にした方が良いですね。
 尚、ニキビの発生は精神的要素と関係が深いので、気分をリラックスさせてあげ、ストレスを上手にコントロールし、発散させるあげることが大切です。特に発赤傾向のあるニキビは適度な運動で発汗し、体内の熱を出させてあげましょう。


*ツボ刺激として*
 「合谷」「太衝」「曲池」というツボがにきびに効果 的です。
 気の流れをスムーズにする作用と、体内にこもった熱量を分散させる作用があります。

取穴方法

合谷

手の甲側の親指と人差し指の間を すりあげて
骨が交わっている所




太衝

足の甲側の親指と人差し指の間をすりあげて
骨が交わっている所





曲池

肘を曲げた時にできる 横じわの親指よりの端



 

お茶* 
 
  お茶はドクダミ茶や、菊花茶が最適です。
これらは体内にこもった熱量を分散してくれます。

 

 

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