鍼灸治療体験談



                   (埼玉 県在住 女性の場合)

現代医学のアプローチ
 関節リュウマチは、慢性の経過をたどり、同時に色々な関節外症状を伴います。憎悪・暖解を繰り返し、やがて関節の機能障害に至るものが多いです。これらは炎症の持続によって滑膜の肥厚が起こり、関節軟骨境界部では過剰な肉芽組織が形成されて、軟骨下の骨に食い込む形になります。
 治療に関しては、関節機能の状況、活動性の程度、年齢、性別、家庭ないしは職業的背景などを把握し、それぞれに合った療法を選択する必要があると考えられています。 基本的には発症に対する手段を取り、重症型の場合は保存療法として、金療法、ステロイド療法、鎮痛剤による治療などの薬物療法が主体となります。

●治療方法
 1. 保温・安静
 2. 患部関節の抗炎症処置、湿布など
 3. 軽快時は軽い運動
 4. 薬物療法

(非ステロイド性抗炎症剤、インダシン
 解熱、鎮痛剤、アスピリン
 生剤、解熱、鎮痛
 金療法、D−ペニシラミン療法
 副腎皮質、ステロイドホルモン剤
 ビタミンB1、B12など )


中国医学的リュウマチの考え
 “リュウマチ”とは、関節の病変を主とする慢性で全身性の自己免疫疾患であり、主な症状は対称性の多関節炎です。指の関節が最も発病しやすく、その病変は常に四肢末端の小さな関節から始まり、次々に他の関節に及びます。
 最初は紡錘状に関節が腫れ、進行して行くと関節が硬くなったり変形したりします。基本的に本病の症状は、再発したり治ったりを繰り返すケースが多く、完治するのは難しい疾患と言えます。男女の比率は1:3であり、女性の方がかかりやすい疾患と言えます 。
 さて 、中国医学ではリュウマチの原因をどの様に捉えているかお話ししましょう。リュウマチになる原因は、「身体の元来のエネルギー不足」「肝と腎の臓器のエネルギー不足」と捉えています。(“エネルギー”と言っても、実際目には見えないので分かりずらいかと思いますが、中国医学にはこのような考え方が存在します。)この二つの臓器の働きを見てみますと、肝は筋肉を管理し、腎は骨の形成をして行く働きに関与しているという中国医学の概念が存在しています。ですから、この二つの臓器エネルギーが不足すると、筋肉と骨の病に罹患しやすくなるのです。
 その他の原因を見てますと、自然界の季節環境のT風寒湿熱Uと言う天候の邪氣が体内に侵入してリュウマチがおこる、ということもあります。これは、体力が無い為に邪氣が体に侵入し、長く体内に停滞した為にリュウマチになってしまうということです。邪氣があると、気血エネルギーが上手く体内を巡回しなくなり、その為に筋肉と関節が滋養出来なくなり、関節の変形などが起こると中国医学では考えております。 中国医学の原因、病機というのは一般的になじみがないので理解しにくい部分があるかも知れませんが、要するに、“体を正常に保つエネルギーが崩れてしまい病が起こる”と理解して頂ければよいかと思います。

〈実際の治験例〉埼玉県在中 60才 女性
 この方は、10年位前に関節リュウマチを発症したそうです。そして、年を追うごとに関節が変形していき、痛みが増してきたそうです。当院を受診される前には、起床時に手指の関節がこわばり、痛みが伴い、非常につらい状態だったそうです。そして、息子さんの友人が当院でアトピー治療を受け、症状が改善された事を知り、関節リュウマチも体質改善の治療を受ければ多少症状も緩和するのではないかと思い、母親に当院の受診を薦め受診される事になりました。
 最初お見えになった時は、特に手指の関節の症状がひどく、指が曲げづらいため家事を行なうのも非常に困難だとおっしゃっていました。また膝関節も多少腫れて、手指関節程では無かったのですが、痛みが伴っているということでした。問診、脉診、舌診を行なって見た所、水仕事をしたり、朝方に痛みが多いとの事で、痛みは冷えると起こりやすく、患部をさすったり、入浴後など、体が温まると幾分関節が動きやすくなるということでした。
 脉診(みゃくしん)は、脈が遅く細い感じがありました。これは体が冷え、血の栄養エネルギーが不足気味だということを表しています。舌の型も、痩せて細長い型をしており、色は淡紫紅、苔は薄く白く、少々苔の上に水分が多い様な感じがありました。これらが何を意味しているかというと、体が冷えて水分代謝が良くないと言う事、また舌の型が痩せているのは、血のエネルギー不足、色が淡紫紅と言うのは、血のエネルギー不足と冷えを表しています。 尚、問診では、耳鳴りがしやすく、腰も常に痛い、そしてトイレが近いとおっしゃっていました。中国医学では、この様な症状が出るという事は、腎の臓器エネルギーが不足していると考えます。この腎の臓器エネルギーが不足すると、骨の病も起こしやすくなると言う考えもあります。
 そして問診の結果、この方は「血虚寒滞経絡」「腎陽不足」と言う中国医学の病証に当てはまりました。ですので、血のエネルギーを補い、体を温めて行き、体のエネルギーの通 り道(経絡)の通りを良くしてあげ、腎の臓器のエネルギーを補充しつつも体を温めて、上げる力を体内から出る様に治療を行ないました。
 当初、私は週二回位のペースで通院して下さいと申しましたが、本人の希望で週三回の通 院治療を3ヶ月程行う事になりました。最初の2ヶ月はこれと言った変化が見られませんでしたが、朝の手指のこわばり感は多少軽減している様な感じはあった様です。そして3ヶ月目の治療が終える頃には、朝の手指のこわばりが無くなり、手指関節も動きやすくなり、痛みも軽減してきたので、多少家事がしやすくなってきたとのことでした。 4ヶ月目からは、週2回のペースを3ヶ月続けて行きました。この頃から、回数を追うごとに体調も良くなり、冷えも感じなくなってきたそうです。その後、毎年、秋口に撮っている骨のレントゲンを撮影した所 、「毎年少しずつではあった骨の変形が止まっている」と整形外科医に言われたそうです。それでご本人は、「針灸治療が効いている」と実感されたそうです。「通 院は大変だったが頑張ったかいがあった」とおっしゃっていました。
 そして、その年の12月末までは、週二回のペースで通院されましたが、翌年からは症状も安定してきて、手指のこわばりも無く、痛みも出て来ないので、週一のペースで半年通 院して頂くこてとにしました。その後の症状はずっと安定しており、梅雨時も問題なく過ごせました。7月位 から2週間に一度と、通院のペースを更にダウンさせました。そして、その年の秋口の骨のレントゲン検査では 、やはり骨の変形が進んでおらず止まっている状態で、血液検査でもリュウマチ因子がマイナスになっていますと言う嬉しい報告を受けました。
 その後、もう半年、本人の希望で通院を続けられ、翌年の春に当院の通 院生活を卒業されました。この方はトータルで、2年半位通院されました。遠い所を良く頑張って通 院されたと思います。そのかいがあってリュウマチ因子がマイナスになり、骨の変形が止まっている状態を保つ事が出来る様になりました。勿論痛みも無くなり、朝方の手指のこわばりも無くなり、家事も出来るようになりました。この方からは毎年、年賀状を頂くのですが、元気で過ごしていて、関節痛は起きていないと言う報告を受けております。
 
 “関節リュウマチ”は、関節が腫れて痛み、やがては軟骨や骨が侵され、普段の生活に大きな支障が出てきてしまいます。近年では新薬で良い薬も出ており、つらい症状をうまくコントロール出来る様になりました。しかし、関節リュウマチは早期発見早期治療で症状が大幅に改善されます。早期治療では、症状を和らげるだけでなく病気の進行を止め、将来、骨破壊に至るのを押さえることが可能になり、予後に差が出てきます。そのため、 西洋医学と中国医学を併用するとより効果が得られると考えます。

〈関節リュウマチの診断基準〉
 1987年に米国リュウマチ学会によって提唱された診断基準で、下記7項目のうち4項目以上に症状が当てはまる場合、関節リュウマチとする。
1. 朝、起床時後、こわばりが少なくとも1時間以上に渡ってみられる。
2. 3ヶ所以上の関節に炎症による腫れがみられる。
3. 手首や手指の付け根の関節、手指の第2関節に炎症による腫れがみられる。
4. 関節の左右対称に炎症による腫れがみられる。
5. リウマトイド結節(しこり)がある。
6. 血液検査でリウマトイド因子が陽性である
7. エックス線写真で手の関節に特徴的な変化がみられる。
※ 1〜4は、6週間以上続いていることが条件
検査は通常、下記の4種類になります。
血液検査、尿検査、関節液の検査、エックス線の検査
 
  関節リュウマチは、気づきにくい初期症状を早めに捉えることが大切です。
初期症状の多くの場合、手指の第2、第3関節手首で、左右対称に複数の関節に腫れや痛みがみられます。
 もう一つの特徴は、朝起きた時に関節がこわばることです。初期では数分程度で治まりますが、もし、1時間以上続くようなら関節リュウマチの疑いが濃くなります。
 尚、体内に炎症があるため、微熱、だるさと言った症状も現れます。 そして痛みより、腫れが関節リュウマチの特徴です。疑わしき症状のある場合は早めに検査とお手当てをなさる事をお勧めします。

 

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