鍼灸治療体験談


 「ギックリ腰」とは、急に腰部に激痛が起こり、その腰の痛みで身動きが取れない状態になる症状です。人によって起こる痛みの程度は違いますが、かなり辛いものがあります。私自身も、実際に二度程度体験しておりますので、患った方々の辛さは良くわかります。
  さて、その辛いギックリ腰は、何故起こるのでしょうか?
  正直なところ、はっきりとした原因は解明されていないのですが、 急に重たい物を持ち上げ、その持ち上げ方が悪く、腰の筋肉に負担をかけてしまうことによって起こることがしばしばあるようですね。また、ちょっとした動作で腰の筋肉に筋違いを起こしてしまい、激痛が走る場合もあります。
  中国医学的な発想では、「何らかの原因で腰の回りに通っている気のエネルギーの道筋の通 りが悪くなり痛みを発する」と考えます。
 原因の一つとして、日頃からためられた疲労が挙げられます。疲労が溜まることにより、腰の回りの筋肉が張り、体を整えるエネルギーが損なわれたり、或いは気のエネルギーの流れが渋滞を起こし、結果 として痛みを起こすのです。この痛みは「体に休息を与えて下さい」と、体の中から自分自身に救護信号を出していると考えられます。
  その他には、体が冷えていて筋肉を硬張させてしまい、その為にやはり気のエネルギー(身体を整える活動力)の滞りを起こし、痛みが出てしまう場合もあります。この場合は、腰回りが冷えているのですから市販の湿布やホカロンを貼り付け冷えている場所を暖めてあげると、軽い症状の場合はそれだけで緩和して行く場合もあります。
  もうひとつ原因として考えられるのは、ストレスです。これはどうしたものでしょう? ストレスは、中国医学的な考えでは、人間の体調を整える自然治癒力を損ねてしまうと考えます。それで体調不良を起こし、ちょっとした腰の動作への負担が、ギックリ腰を引き起こす引き金となってしまうのです。 また、ストレスというのは、人間に過緊張な状態を与えてしまいますので、筋肉などが硬張し、それでギックリ腰を起こしやすい状態になる事があります。

  それでは、ギックリ腰の治療についてお話ししたいと思います。
  ギックリ腰の治療で大事なのは身動き取れない状態をまず楽にしてあげる事です。一般 的に、腰部が硬張して前屈・後屈の運動制限がある状態ですので、まずは、それを緩和させてあげる手当てが必要になります。
 時々聞く話ですが、治療経験の少ない先生や技術的に未熟な先生の所へ鍼治療を受けに行ったら、かえって具合が悪化してしまったと言われる方がいらっしゃいます。ひどい時には、起き上がれなくなってしまう事もあるようです。これは何故だと思われますか?答えは簡単です。身動きが取れない状態なのに無理にうつ伏せの状態にして治療を受けさせたからなのです。治療のためとは言え、痛い部分に負担を掛けてしまえば、却って症状がひどくなるのも無理はありません。ですから、 重症なギックリ腰の患者さんの場合はまず、腰の反射区として前腕部に硬結感が出るので、その部位 を見つけ出し、鍼を施術してあげます。鍼を打つと、「ツン」という独特な響きが前腕に感じられます。その部位 にしばらく刺激を与えながら、患者さんに徐々に腰の前屈運動、後屈運動をしてもらいます。すると、身動き取れなかった方が不思議と動ける様になり、段々と腰の前屈、後屈運動がスムーズになり、また腰の回旋運動もしやすくなっていかれます。この時点で初めて「うつぶせ」という状態になって頂き患部の手当て、或いは、体全体の機能回復をする経穴(ツボ)に鍼を打ってあげると、腰痛の症状がグッと軽減されます 。この、「反射区に鍼を打つ」方法は中国医学では微針療法といい、中国ではギックリ腰、寝違いなどでポピュラーに使われる治療方法です。 また、この「反射区」には色々ありまして、腰の痛む場所によって様々に使い分けたりします。
 例えば、ギックリ腰を起こす場合、背骨の正中線上(真ん中あたり)に痛みを発するタイプと、腰の両サイド、或いは片側に発するタイプがありますが、 このタイプの違いによって「反射区」も違ってきます。 背中の正中線上にギックリ腰を起こした場合は鼻の下のほうにある「人中」というツボに刺激を与え、両サイドに痛みが出た場合は、眉毛の内側の所にある「攅竹」というツボ、或いは膝裏の「委中」というツボに刺激を与えてあげると劇的に痛みが軽減されます。
 腰が痛いのに、なんで全然関係のない顔に鍼を打つの?と思われる方が多いのではないでしょうか。これは、中国医学の摩訶不思議なところではあるのですが、これらのツボは皆、腰と深いつながりがあり、腰から遠いところではありますが、刺激を与えてあげるとスムーズにしてあげられることが出来るのです。中医学的に考えれば、実は不思議な出来事でもなんでもないのですね。
  当院にいらっしゃるギックリ腰の患者さんは、間隔を開けずに治療しますと、2〜5回で正常に回復されている方がほとんどです。回数はその方の鍼に対する感受性とギックリ腰の程度によって変化します。時には整形外科での治療より早く治ることもあります。
  ギックリ腰は、人によっては頻繁に起こる方がいらっしゃるのですが、その様な方は予防養生の為に定期的な鍼灸治療を受けますと、再発の予防につながると思います。できれば月に1回〜2回の受診をお勧めいたします。あとは、家庭内でもストレッチを行ない、朝、起床時に腰部を両手のひらで上下に20回位 さすってあげても予防につながります。
  それから、ギックリ腰と腰椎椎間板ヘルニアを同じ腰痛だと認識している方が時々いらっしゃいますが、この二つの症状は、多少似てはいますが、非なる物ですのでご注意下さい。症状的にはギックリ腰の方が軽く、その分治りやすいですね。 腰椎椎間板ヘルニアになると治療期間も長くなりますし、骨と骨の間にあるクッションがつぶれてしまって、つぶれたクッションが神経を圧迫した状態になるので、かなりの激痛が走り、患側の腰部と臀部、下肢にかなり激痛としびれ感が走ります。 ギックリ腰の場合はしびれ感が出ません。 症状の違いをよく見て治療に当たられるとよいでしょう。
 腰痛についてのお悩みやご相談などございましたら、気軽に当院までお問い合わせ下さい。少しでも症状が軽減されるように出来る限りお力にならせていただきます。

(吉祥寺東町在住、A・Sさん (女性) 59才の場合)

 「便秘」とは、排便が数日以上なく、排便感覚が、不規則になっているものをいいます。便秘には、疾病によるものや、先天的な体質によるもの、常習性のものなど、 様々なタイプがございます。 しかし多くは、腸の運動の異常による常習性便秘が大部分を占めています。 便秘状態が長く続くと、肥満、肌荒れ、シミの原因となり、また疲れやすくなったり、 倦怠感や疲労感が残るようになります。 婦人の生理や、胃腸、肝臓などにも影響を及ぼすことがありますので、 注意しなければなりません。
 中国では、古来から食物の滞りを重大な病因として考えており、 体内に停滞した便は、食毒となり、各種の病気を起こすと言われます。また病気の回復も妨げ ますので、なるべく早く治すよう心がけた方が良いでしょう。 たかが便秘、されど便秘というものですから、一般 的な症状だからといって簡単に考えない方がよいでしょう。

  吉祥寺東町在住、A・Sさん (女性) 59才のお話です。
  下剤を飲むと便通はあるが、お腹が痛くなったり、少量ずつ何回も出て困っていらっしゃたそうで、 ご友人の紹介で受診されました。 Aさんは、ここ2年ほど便秘で苦しんでいて、いろいろな市販の下剤を服用していたそうです。しかし、 なかなか便秘が改善されず、下剤を服用すれば排便には至るのですが、腹痛が起きたり、また何度もトイレへ行きたくなったり、或いは急に便意をもよおし、外出時に困ってしまうことがしばしあったそうです。 そのため、なんとかしてこの便秘症を改善したいと、当院に治療を受けに来られました。
  Aさんは、顔色が青白く、手足が冷えて、肌も乾燥ぎみ、便は常にコロコロして硬いということでした。また、 食欲もあまりなく、疲れやすいということでした。このような、 体が冷えやすい方や、胃腸が弱く食欲がない方が下剤を服用すると、腹痛を起こしたり、何回も便意をもようしたり、排便の量 が少なくすっきりしないという症状が起こりやすいのです。また、このような方は、下剤を使う事により、かえって胃腸を冷やしてしまい、結果 として便通を整える 機能が弱くなる事が多いです。こうして、便秘を改善するはずが、却って悪循環を繰り返す事になってしまっていたというわけです。
 そこで Aさんには、胃腸の機能を整え食欲がでて、食べたものが吸収されやすくなるよう、体の活力エネルギーが活発になる治療をいたしました。また体の冷えも改善されるように体調を整え、便秘の症状を少しずつ改善して行きました。 これらの目的に沿った治療を10回くらい週2回のペースで行なっていくうちに、段々と腹痛もなくなり、体の冷えも取れていきました。その結果 、便も硬くならず、スムーズに排便が出来る様になり、下剤を服用しなくても済むようになりました。
  大切なのは「便秘を起こすのはどうしてなんだろう」と原因を追求して、改善することなのですね。便秘だからと短絡的に下剤を飲んでお腹を下せば良いわけではないのです。また、治療も集中的に進めて行くことが結果 として早く治って行くことに繋がります。治療期間をあまり長く置かない事も症状の改善には必要です。
 便秘の治療だけではありませんが、 鍼治療は刺激療法ですので毎回毎回の鍼刺激を体に蓄えて行くことが大事です。10回の治療を1ヶ月そこそこで受けてしまえば、それだけ結果 が早く出ますが、10回の治療をダラダラと長期間で受けても、結果は出づらくなります。ですから私としては、どんな病、症状でも、治療を無駄 にしないためにも、なるべく間隔を空け過ぎずに、治療を受けてほしいと思っています。
 今回のAさんの場合は、冷えを原因とした便秘症状でしたが、人によってその原因は様々考えられます。つらい便秘症状でお悩みの方はこのHPの「問診表」に記入のうえ、詳しい症状を書いてご相談下さい。なぜ自分に便秘症状が出ているのか、から一緒に考えていくことで、辛い症状を少しでも軽減していけることと思います。

 当院では、女性スタッフの先生もおります。デリケートな内容のご相談になりますので「男の先生に相談するのが不安だな」と思われる方は、 女性の先生に相談、治療を行なってもらう事も可能です。ご来院、お問い合わせの際にお気軽にご相談下さい。

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