鍼灸治療体験談


 当院では、逆子治療についてのお問い合わせをよく頂きます。そこで今回は、逆子治療を行うのに良い時期についてお話ししたいと思います。

 ご存知のように逆子とは胎位の不正を意味します。妊婦自身には自覚症状がないので、だいたいが検診によって知らされます。一般 的には、経産婦に発生するケースが多いようです。或いは腹壁がゆるい方も発生しやすいようです。
 鍼灸治療を受けるのにベストなタイミングは、だいたい妊娠27週〜30週です。28週〜29週は胎児自体がまだ小さいので、妊婦さんに特定のツボを鍼灸刺激してあげると、反応の良い方であれば1回で胎児の胎動を感じられます。 私の臨床経験ではこのような場合、平均で2〜5回の治療で胎児の胎位 が戻ります。逆に、30週を越えてしまいますと胎児が成長してしまうので、刺激を与えても胎動しづらくなってきますし、胎位 が戻る確率も低下してしまいます。
 また、早めの26、27週で手当をすると胎児が小さいので、また逆子に戻ってしまう可能性もあります。そして、胎位 が戻らず帝王切開になってしまうこ事あるのです。
 私はなるべくなら、自然分娩が良いと考えています。したがって、鍼灸治療を受けるのであれば、妊娠28週〜30週の間に受けることをお勧めいたします
 逆子で悩まれている方、逆子体操や徒手矯正で胎位が正常に戻らない場合は、臨床経験が豊富な鍼灸の先生へご相談されるのも良いかと思います。

 当院では、女性スタッフの先生もおります。デリケートな内容のご相談になりますので「男の先生に相談するのが不安だな」と思われる方は、 女性の先生に相談、治療を行なってもらう事も可能です。ご来院、お問い合わせの際にお気軽にご相談下さい。

(武蔵野市在住の小学生の場合)

 

 夜尿症とは、いわゆる「おねしょ」のことです。3歳以上の子供が寝ている間にオシッコをし、目が覚めたときに気付く、という病気です。症状の重い場合ですと、毎晩1〜2回ということもあります。この病気は、はっきりした原因がまだ解っていません。
 中国医学では夜尿症には「体の虚弱と冷え」が関係していると考えられています。冷えが、特に下半身に停滞して腎と膀胱の機能を低下させ、その為小便が多くなったり、止めることが出来なくて遺尿となるわけです。 
 また、腎の活力エネルギーが不足すると、膀胱を引き締める力が弱くなり遺尿を起こすとも考えられています。虚弱タイプの方は、体全体を整える力が不足している状態なので、体の制御機能が損なわれ、遺尿を起こしてしまうのです。

 武蔵野市吉祥寺東町在住の小学生 の場合。
 息子さんが「おねしょ」をするという事で、母親が当院へ相談に来られました。息子さんは小学6年生。半年後に修学旅行を控えているということでした。そこで私は、一度お子さんを連れて来院するようにとお伝えしました。
 後日、息子さんは母親と一緒に当院へやって来ました。息子さんは色白で、同じ年頃の子供に比べ背が低く、少し痩せ気味でした。生活状況を尋ねてみると、食は細く、便は軟らかい、オシッコの色は透明で、トイレが近い。時々頭がボーッとする。どちらかというと寒がりだ、ということでした。手足に触れてみますと確かに冷たく、舌を診ると色は淡くて、型は胖大、脈は細くて遅いということがわかりました。これらのことから、この子の体質が脾腎気虚から脾腎陽虚証という状態になりかけていると判断いたしました。
 「脾腎気虚」とは、食が細く軟便気味で体の活力が不足している状態のことをいいます。本来なら小学6年生といえば、食欲旺盛で活動的、背もぐんぐん伸びる時期です。しかし、このお子さんは食が細く軟便気味であるので、栄養が吸収されず成長が遅れていました。そして、栄養が足りないため、人間が持って生まれたエネルギーをも消耗している状態でした。「持って生まれたエネルギー」というのは中国医学では、腎にあると考えています。これを「先天の気・エネルギー」といいます。そして「後天の気・エネルギー」は脾で生産されると考えています。中国医学では脾は食べた物を消化して人間が生活していくのに必要な気・血というエネルギーに変えていくと考えます。
  このお子さんの場合、常に軟便気味になっていたので、気、血のエネルギーが不足していました。そのため、持って生まれたエネルギーを貯蔵している腎から少しずつエネルギーをもらっていたため、腎のエネルギーが不足し、冷えの現象が出始めたのです。それに伴い、腎の働きが低下してきたので、遺尿という症状も出てきたと考えられました。 中国医学では腎のエネルギーは尿の働きと深い関係があると考えられています。
  それらの事から、私は体を温め食欲を増す事が大事と考え、「温補脾腎」の治療を行いました。腎のエネルギーが補強されるように、週2回のペースで通 っていただきました。  2カ月後、夜尿症はすっかり治りました。食欲も増し、軟便も治りました。そして、治療後もしばらく家でお灸をするよう勧めました。母親もこれらの治療を積極的に取り入れてくださって、3ヶ月間お灸を行っていただけました。
 その後、母親が息子さんと共に来院された頃には、あの色白で虚弱だった彼が、約半年で背が8センチ伸び、体重は6キロ増え、見違えるほど成長していたのです。そして、心配していた修学旅行にも無事行けたということでした。私は、この時は本当に嬉しく思いました。「おねしょ」もその原因を考え治療することによってこのように改善していく事ができるのです。

(武蔵野市 S.Yさんの場合)

 

 円形脱毛症とは、頭部に眼局性斑状の脱毛が突然発生することをいいます。禿(ハゲ)は円形や楕円形で数も大きさも一定ではありません。しかも局部の皮膚は正常で自覚症状はありません。原因ははっきり分かっていませんが、自己免疫に関係があるようです。また、精神的なこと、ストレスで誘発することもあります。
 西洋医学では内服薬、或いは局部への塗り薬で治療を行っています。しかし、根本的な解決まで至らず、なかなか満足のいく効果 が出ない方もいらっしゃいます。
 中国医学では、血絡(現代医学的には毛細血管のこと)が滞って、新しい血液が髪の毛の先にまで栄養を与えることができずに、円形脱毛症を起こすと考えられています。また、人間の体に存在している気のエネルギー活力と、血のエネルギー活力(体内の栄養素)が何らかの原因で減少して気血両虚を起こし、髪の毛を潤すことが出来ずに円形脱毛症に繋がるとも考えられています。

 武蔵野市西久保 S.Yさん の場合。
 S.Yさんは2002年10月に来院されました。事の起こりは10年前だったそうです。  SYさんは、大学を卒業後すぐに就職し、4カ月後の8月、家族の者に「円形の禿ができている」と言われたそうです。皮膚科の医院へ行って診てもらうと、円形脱毛症と診断されました。そこで塗り薬を処方され、一時的に良くなったそうですが、その年から定期的に、円形脱毛症が起こるようになってしまった、という事でした。
 当院へ来院された時も、右側後頭部に500玉くらいの大きさの円形脱毛ができていました。私が詳しく生活状況を聞いたところ、今は以前より仕事量 が増え、ストレスが多い状況下にある。夜はあまり眠れず夢ばかり見る。腰も痛い。夜間手足が火照る感じがある。口渇感もあり、頭もボーッとする事が多い、便は硬め、ということでした。
 これらの事柄から中国医学的に分析したところ、血虚という症状が進行して陰虚という状態になっていることが分かりました。これは慢性的なストレスにより、体のエネルギーが滞り、熱という形に変化し、体の中にある血液水分を消耗させてしまっていることを言います(例えていうなら、車のラジエータの水分が不足している状態です)。それで、髪の毛へ与える栄養素が不足し(髪の毛は血液からなっています)、円形脱毛症が起こってしまったのです。 血液水分というのは、睡眠にもかかわっています。中国医学では、血液水分が不足すると頭を休める力が不足し、不眠を起こすと考えられています。また、腰が痛いのは、腰には血液水分、親の腎精という物が存在していて、それが消耗されたので腰が痛くなったと考えられました。 中国医学では、腰は腎エネルギーと関係があり、腎の働きは髪の毛の発育とも関係があるとも考えます。
  このように多方面から疾患を診ていく事により、何が原因で今の体の不調を訴えているのかが分かり、手当の仕方も分かってくるのです。
 今回のケースは、本人は円形脱毛症の症状のみで来院された訳ですが、他にも色々な不定愁訴が生じていて、それらが円形脱毛症を起こす引き金になったと考えられました。言葉にすると難しくなってしまいますが、この方の場合は、中国医学的に考えると、「心腎不交と腎陰虚」という症状だったのです。
 ですからまず、腎陰虚という症状(火照り)、腰の痛さ、口渇(こうかつ)、頭がボーッとする、といった症状を改善する手当を行い、それに伴い精神安定を促す治療をし、睡眠が充分取れるようにしました。睡眠が取れるようになると、体を整える力(自然治癒力)が戻ってくるので、他の悪かったところも自然と改善されていきました。
 彼は3ヶ月間週2回の治療で「不眠、火照り、頭がボーッとする、腰の痛さ」を改善し、それと共に円形脱毛症も徐々に改善されました。
 現在は体調不良を起こさないよう、なるべく週1回のペースで養生活力(体を癒し元気にさせる治療)を受けるよう努められています。 そうすることによって、円形脱毛症の繰り返しを避けることが出来るのです。

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