鍼灸治療体験談



(国立寺市 H.Yさんの場合 )

 

H.Yさんは、長年アトピー性皮膚炎に悩まされ、様々な西洋医学的なアプローチから治療を受けてこられた方です。 しかし症状はなかなか改善されず、かゆみで夜も眠れないほどでした。 特に夏場は発汗により皮膚が赤くなり、かゆみが増す ─ それがストレスとなり、またかゆみが増していく ─ の繰り返しで苦しんでおられ、どうにかしてこの苦しみから脱したいとご友人の紹介で当院に来院されました。

当院ではまず、問診をしながら、今この方がどの様なタイプのアトピーであるかを振り分けました。
H.Y さんは皮膚が乾燥しやすく、粉が吹いた状態になりやすい肌でした。そして、皮膚には部分部分に赤黒い所がありました。また、皮膚をかいた後には、滲出液(膿のような液体状のモノ)は出ないという事でした。
このタイプは、基本的には肌を潤す成分 「血(けつ)」が不足し(これは中国医学的な見方で、いわゆる「貧血」とは違います。詳しくは「中医学の病気のとらえ方」をお読み下さい。)、かつ血液の流れが良くない状態と判断いたしました。
肌を潤す「血(けつ)」の力が弱いので乾燥肌になってしまうのです。 所々皮膚の表面が赤黒くなっているのは「淤血(おけつ)」といって、血液の流れが停滞している状態なのです。
また、かゆみが増すと、体にとって大きなストレスとなります。そのストレスは体の熱量 を増幅し、さらにその熱でかゆみが増してしまうのです。 このような状態では、かゆみを抑える薬を塗っても一時的に良くなるだけで、元々の原因を改善しなければなかなか快方へと向かっていきません。
そこで 当院では、「血(けつ)」の力を増す治療と、「淤血(おけつ)」に対しては血液の流れを改善する「活血化淤(かつけつかお)」という鍼灸治療をおこないました。

治療を重ねるうちに、H.Y さんの症状はだんだんと改善され、今では乾燥肌もなくなり、粉ふき状態になることもなくなりました。
また、かゆみもあまりないのでストレスも緩和され夜もよく眠れるようになったそうです。ご本人曰く「今までは疲れやすく、やる気も起きなかったけれど最近は体も疲れなくなってきました。」ということでした。
H.Y さんは現在も予防養生の為に定期的に受療されていらっしゃいます。ちなみに、この方は喘息の症状もお持ちでした。毎年秋口になると発作が出ていましたが、今年はそれも出ていないそうです。ここでは、お話をしていませんが、アトピーへの治療にくわえて、喘息へのアプローチも同時に行っていた効果 が出たようです。
アトピーと喘息は違う病名なのにどういう事なのだろう?と不思議に思われるかもしれませんが、そこには中国医学独特の考え方があるのです。つまり、異なる病名(診断名)であっても、その原因が同じところによるものであるならば、同時に治療ができるということなのです。したがって、H.Yさんのように、アトピーと喘息の併発でも、根本的な原因が同じである場合は、同時に治療することで改善が見られてくるのです。
なお、アトピー性皮膚炎の治療に関しましては、症状にもよりますがだいたい半年から一年ほどはかかると思います。根気よく治療をしていかれれば、H.Yさんのようにきっと良い結果 が出る事と思います。

 当院へ受診に来られるアトピー性皮膚炎の患者さんの多くは、皮膚が炎症を起こして赤くなりお肌も乾燥する、いわゆる「乾燥肌」で、「皮膚の色が赤黒くなる」という方です。その次に多く来院されるのが、中国医学では「血熱タイプ」といわれる患者さんです。症状は、皮膚の炎症が強く、真っ赤になり、お肌も乾燥し、痒いがために掻くと出血したり、浸出液が出たりします。これは体内に熱がこもって、新陳代謝が低下している状態なのです。
 「血熱タイプ」
は、吸い玉(カッピング)を使い、体内にこもった熱を抜き取ってあげる治療をすることで症状が改善されやすいです。 こもった熱を毛穴から外に出すことで、ステロイド剤のような皮膚の炎症をおさえる対処治療とは異なった治療が行なえますし、体質改善にも繋がります。もちろん、吸玉 だけでなく鍼の治療も併用する必要があります。 吸玉療法は一般的には肩凝り、痛みの改善に良いと思われがちですが、応用の仕方、吸玉 を施術するツボによって、色々な働きがあるのです。
  アトピーや慢性症状でお悩みの方、吸玉療法について詳しく知りたい方は気軽にご 相談下さいませ。

アトピー性皮膚炎については「中医学の病気のとらえ方治し方」でもお話ししています。

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(田無市 Y.Sさんの場合)

 

「不妊症」につきましては、鍼灸で治療できるものと、鍼灸だけの治療では難しいものがありますので、体験談の前に少しだけお話しさせてください。
夫婦が同居して3年以上経過し、避妊しているわけでもないのに妊娠しないものを一般 に「不妊症」と言います。
その中でも、全く妊娠した事が無いものを「原発性不妊症」と言い、 以前に妊娠したり、流産してから2年以上経っても 妊娠しないものを、「続
発性不妊症」と言います。
不妊の原因は様々で、男性側にある場合もありますし、女性側にある場合もあります。
ですから、基本的には男女共に検査をされた方が良いかと思われます。
男性の不妊の原因は、性機能障害・精液異常などが挙げられます。女性の場合は、排卵障害・輸卵管、子宮、子宮頸部などに起因します。
特に鍼灸の治療対象となるのは、西洋医学的な検査で問題が発見されず、器質的(機能・器官としての)疾患以外の
なんらかの原因で卵巣機能がおかしくなり排卵しないと考えられる不妊症です。
例えば、強い冷え等の身体エネルギー不足が原因と考えられる方などがそうですね。
私がよく出会うのが、問診や舌診などを行った結果、どう診ても「 冷え」が体内に存在しているのですが、当の本人は、まったく自覚が無いというケースです。不妊症の方には、特にこういうタイプの方が多いかと思われます。 西洋医学的に問題が無いのに、なかなか妊娠出来ないという方は、もう一度「自分は冷え性ではないかな?」と確かめる必要があると思います。 それと、知らず知らずに冷えるものを多く摂取している方なども、食事改善が大切になります。
また、
なかなか妊娠ができないという心理的なプレッシャーによって、 体に精神負担がかかり、結果的に妊娠という環境整備ができない状態に陥ってしまっている方も、鍼灸の治療対象となります。このような 憂鬱感とか、めげて落ち込んだ気分は、 中国医学的な着眼点でもう一度体に渇を入れてあげ、リラックスできる 状態にしてあげることで、妊娠を促していくことができます。これらの症状の方には、まず体全体の元気を補ってあげていくことが大切ですね。
西洋医学的な検査をして、ホルモン分泌異常がある場合にも鍼灸治療が 有効の場合があります。やはりこちらも、何故ホルモン分泌に異常が 出たかを中国医学的に分析をし、改善をうながす手当てを行っていきます。
その他、虚弱タイプの方にも鍼灸治療は適応です。
普段から月経量の少ない方、遅れがちな方、 早まる方、肥満体で味の濃いものを好んで食べる方などは、「中国医学的痰湿」といって 体にとってはあまり必要としない副産物が多くなり活力エネルギーの流れの妨げになって、結果 的に 妊娠しずらい環境になっている場合もありますので、自覚のある方は注意が必要ですね。
「不妊」症状においての鍼灸治療の適応症状について少しお話ししましたが、ご理解いただけましたでしょうか?
これらの場合とは逆に、決定的な機能障害、器質的な問題がある場合は鍼灸だけの治療では難しくなります。そのような場合には、西洋医学的治療をフォローする形で鍼灸治療を利用されていくのが良いでしょう。

それでは、当院へ受診された方の例をお話ししたいと思います。
Y.Sさんは、西洋医学的に検査を受けて何処にも問題が無かったのですが、月経の量 も少なく、体も冷えやすく、以前に二度も流産を経験されていました。 その後、妊娠できなくなり、体も非常に疲れやすく、冷えると軟便にもなりやすかったと診察時に話しておられました。
舌の色を見ると、淡紫で肥大していました。これは、中国医学では「冷えて疲れやすい」状態を意味します。脈診をしてみると、 脈も遅く、脈に力もありませんでした。
問診で話された内容と、これらの結果を総合的に分析して判断した結果 、Y.Sさんは「腎陽不足・陰血不足」と考えられました。
これは、体を温める力と、体に血液を充分に行き渡らせる力が不足している状態を意味します。ですから、軟便になったり、月経量 が少なくなったりしていたのです。
また、このようなタイプの方は子宮内膜が薄い傾向があります。
内膜が薄いと精子が着床しずらくなってしまい、不妊の要因になりやすいのです。内膜が薄いということを解りやすく「おふとん」で例えると、「せんべい布団状態」になってしまっていると考えてください、その為に精子をふんわりとキャッチすることができなくなってしまうのです。
そこで、当院ではY.Sさんに体を温める鍼灸治療と、血液の流れがスムーズにいく鍼灸治療を重点的にいたしました。
Y.Sさんは治療を続けられるにつれて、冷えの症状も減少し、月経量も増えられました。
その結果、婦人科で検査をしたところ、もとは0.5ミリしか無かった内膜が、1.2ミリになっていました。
そしてY.Sさんは、3ヶ月後に無事妊娠され、出産もなしとげられました。

これはあくまで、治療の効果がスムーズに出た結果と言えますが、同じような症状の方でしたら期間に差は出るものの、根気強い治療により妊娠を導けると考えております。
当院のHPでもたびたび言っていますが、時には違う着眼点から体のケアをすることを考える必要性があるのではないでしょうか?
人間の体の中には、検査には出てこない隠れたエネルギーバランスの崩れがありますので、それらを中国医学的な見解で分析し、治療していくことで必ず良い結果 が生まれてくるのです。
中国医学では「体内の中で起きている検査に出てこない異変を改善する」のが最大の目的となります。 ですから、環境整備がまだ完全に整っていない段階で、人工授精や体外受精を行った場合、 結果として出ないこともあります。 また、環境整備ができていたとしても妊娠ができない場合もやはりあります。
基本的には体質改善、環境整備の治療には半年から2年位かかると思ってください。 個人差がありますが、一般的には1年前後かかります。 この点を理解した上で、鍼灸治療を受けるようにしてください。

では、鍼灸治療により内部の環境整備をいたしますと、体調がどのように変化するのでしょうか?
まず、第一層(低温)から第二層(高温)への変化がはっきり見られる様になります。 たとえば、高温期が短かった方が長くなる。或いは、期間が安定する等といった具合ですね。 そして、生理にも変化が見られてきます。生理時の出血の量が少なかった方は、多少増えたりしてきます。 また、期間の短かった方は、日数が1〜2日増してきたりします。
これらの一連の症状は、体内の内部環境が整理されてきて、良い方向へ変わっている証しと言えます。この様な体内の変化を明らかにするのが鍼灸治療の目的なのです。

「不妊」の要素は前述いたしましたように、様々な理由が考えられますので、一概には判断できませんが、どうかお一人で悩まず、ご相談にだけでも当院へいらしていただけたらと思います。きっと、何かしらのお力になれることと思います。

 当院では、女性スタッフの先生もおります。デリケートな内容のご相談になりますので「男の先生に相談するのが不安だな」と思われる方は、 女性の先生に相談、治療を行なってもらう事も可能です。ご来院、お問い合わせの際にお気軽にご相談下さい。

現代医学のアプローチ
 「現代医学」では、不妊症は、不妊の原因を探す事を目的としています。
例えば
子宮内膜症などの治療
排卵を誘発、促進
ホルモンの補充療法
タイミング指導
人工授精、体外受精、顕微授精
といった治療になります。

中国医学のアプローチ
 「中国医学」の不妊症の考え方は、多少異なってきます。
 中国医学(鍼灸、漢方)での治療を行なう、或いは併用されると、体質改善により、体内の内部環境を整え、ホルモンバランスを整えて、元気な卵子と健康で柔らかい子宮のベッドを準備できる体に導いて行きます。
内部環境が元気づくと・・・
ホルモンバランスが整う
生理、排卵のリズムが維持
質の良い卵を作る
着床しやすい子宮内膜を準備
赤ちゃんを育てる体力が養える
精子の数を増やす、活発にする(男子)

といった効果がみられます。

不妊症の方にありがちな症状は?
生理不順
無排卵性月経
無月経
基礎体温がバラバラ
不正出血傾向があり、生理時の出血の中にレバーみたいな血塊があり(お血)
子宮内膜症があり、生理痛が強い
生理時の出血量が多い
生理時の出血量が少ない
生理期間が短い(2〜3日)
生理期間が長い(7日以上)

このような、上記の症状を改善することも 不妊治療の手がかりとなります。
 中国医学(鍼灸、漢方)は、こういったT血の道症の改善Uといった症状は、病症の中ではどちらかと言えば得意分野です。 当院の経験では、現代医学的な治療のアプローチと併用されたり、或いは中国医学の治療に切り替えると妊娠できたという方が多くみられました。不妊で悩んでいらっしゃる方は、どうぞお気軽にご相談下さい。

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(三鷹市 T.Sさん35歳の場合)

 

最近、当院を受信される患者さんの中で、「突発性難聴(とっぱつせいなんちょう)」の方が増えています。
この病気は西洋医学的には、なかなか厄介な疾患とされています。
理由は、検査をしても器質的(器官・機能としては)問題が無い場合、治療しにくいからと言えるでしょう。
このような場合、一般的には耳神経に栄養を与える目的で、ビタミン剤の投与による治療が主流となっています。
また、耳が聞こえにくい症状によって、その事でウツウツとし神経が高ぶってイライラ状態が続いてしまうような場合には、対処療法として精神安定剤を投与するという考えの医師もおられます。どちらの治療も、根本的なものではありませんので、結果 的に治療が長引いてしまう訳なのです。

発症して数日以内で西洋医学の薬の服用治療に鍼灸治療を併用すると数回の治療で症状が改善されるケースが非常に多いです。西洋医学的な治療では困難きわめる突発性難聴ですが、是非とも鍼灸治療の併用をおすすめ致したいと思います。それにより、後遺症として残る聴力低下、耳鳴りが防げます。 只、早期治療が絶対のポイントです。早い方ですと2〜3回の治療で聴力回復も望めます。

では、中国医学ではこの病気をどの様にとらえるのでしょうか?
中国医学において、突発性難聴は“ストレスによって発症するケースが多い”と考えられています。現代は「ストレス社会」と称されるように、殆どの方が何らかの精神的負担を強いられていますから、こうした疾患の方が増えているのも頷けます。
今回は、その典型例として、三鷹市のT.Sさん(35歳)のケースをご紹介いたします。
この方の仕事は、勤務時間が不規則で、かつ常に緊張感を保たなければならない業務についていらっしゃいます。その為、なかなか気を抜くことが出来ず、お酒で緊張を解きほぐす事が多かったそうです。
また、 突発性難聴を発症する前には「キーン」という耳鳴りがちょくちょく鳴っていたそうです。そして、いつも首筋が脹って、上半身がほてる感じが強かったとおっしゃっていました。
これらのお話から、この方の症状を分析してみましょう。
中国医学の考え方では、T.Sさんの場合「肝(かん)」の気のうっ滞が原因と考えられました。
「肝」とは、体の色々な機能をのびやかに働かせる役目があります。
そして、「肝」は全身の血の流量を調節します。今のT.Sさんの状態は、本来びやかな性質だった「肝」の気が、ストレスによって渋滞を起こしてしまっているのです。これが長期化すると、「肝」と関係が深い「胆(たん)」という臓器にも影響をおよぼしてしまいます。「胆」の気の流れのルートは、耳の周りをめぐっており、そこで気の流れに渋滞がおきてしまうと、突発性難聴という病気になると考えられています。
難聴だけでなく、耳の周りが脹ってくる症状も現れるのは、こうした理由からなのです。
そして、見逃してはいけないのが、発症前に頻繁に出ていた「キーン」という高音の耳鳴りです。これは、体の悲鳴、いわゆる注意信号が出ていたことを意味します
一般の方では、そうとらえることが難しいとは思いますが、このような体の小さな叫びに気を配ることがもっとも大切な事なのです。
同様に、西洋医学においても数値などに出ない以上、この点を重視することはあまりありません。
しかし、中国医学の考えに基づいてみると、このような耳鳴りはストレスがたまって、体も疲れがピークに達していることを意味します。これを放置することで
、ある日突然難聴になってしまうケースが多いのです。

次に治療方法のお話をしたいと思います。
まず、うっ滞した気の流れをスムーズに流れるように「 疏肝理気(そかんりき)」という手当を行います。これは、滞ったエネルギーの巡りをよくする治療のしかたです。 具体的には。耳の周りの気の流れをなめらかになるように通してあげるのですものです。
もちろん、局所にも鍼をしますが、手や足のツボも使って全体的に気が巡るように手当をします。くわえて、心身がリラックスできるツボにも刺激を与え、精神安定をはかる治療も行いっていきます。そして、予防養生の為に元気回復のツボにも鍼をします。

T.Sさんは、中国医学というものへの信頼感が厚く、とても協力的に治療を受けて下さいました。ご本人も中国から漢方をご自身で取り寄せられ服用していらっしゃったので、より良い結果 が早く出ることになりました。
週2〜3回のペースで治療を受けていただき、5回目ぐらいから耳の周りの脹った感じが無くなってきました。
10回目ぐらいには、低音の聴力が普通に戻り、15回目ぐらいには、高音の聴力も改善されてきました。
20回目ぐらいには、高音、低音、ともに聴力は普通になられました。
25回目ぐらいには、耳鳴りも殆ど気にならない程に回復されました。
また、以前は疲れると耳鳴りもひどくなっていたそうですが、現在では、そのような事も無くなってきたということです。そして、お天気によって聴力を左右されるということも無くなったそうです。
この方の場合、治療期間はだいたい2カ月ほどでした。
突発性難聴に関しては、約2〜3カ月の治療期間が最低でも必要となります

実際の治療回数ですと、20〜30回位を目安にしていただけると、良い結果 が生じるかと思います。何より、早期の治療が一番大切になります。
なお、これはあくまで目安でありまして、治療というものは「100%絶対」と言いきれるものではございません。発症されるまでその方が置かれていた環境、精神状態、経過の長さ、今現在の状況などにより効果 や期間に個人差が出ることは予めご理解頂きたいと思います。

突発性難聴につきましては、「 心のケアについて」でもお話ししていますので、そちらの方も お読みいただけたらと思います。
説明の中ででてきます
気・血・水の考え方につきましては、「中医学の病気のとらえ方」で詳しくお話ししていますので、お読みいただけるとよりわかりやすいと思います。


(田無市 Y.Sさん58歳の場合)

 

まずは、顔面神経痛についてのお話から始めたいと思います。
顔面神経痛は、急性非化膿性炎症によってひきおこされた、末梢性の顔面 神経麻痺の一つです。 症状は殆どが
片側のみにあって、顔面 部分の表情筋が突然運動麻痺を起こし、眼裂が広がり、鼻唇溝がなくなって口角が垂れ下がり、顔が健側に向かって引っ張られた状態になります。
この病気の原因は今でもよくわかっていないのですが、疲労が溜まっていたり、ストレスが溜まっていたり、あとは冷たい風に当たりすぎたりしても起こりやすいケースが多いです。
顔面神経麻痺は、自然に治ることが多く、だいたいの患者さんは数週間以内に自然治癒されます。 しかし、発症している間は、話づらかったり、ものを食べる時に不便さを感じたり、あるいは睡眠時に瞼を閉じることが出来ず、眼球が乾燥したりします。
そして、病状の程度や治療の時期の加減で、予後(症状が治まった後)に大きく影響することもあります。
現代医学では、特効薬は無く、物理療法が使われています。

M.Tさん(58歳)の場合は、朝起きたら、突然目が上手く開かず、右側の顔面 に違和感、つっぱり感があったそうです。その後美容院に行ったところ、「それは鍼灸治療をした方が良いよ」と美容師の方に勧められて当院を受診されました。
診察時にお話をお聞きすると、長い間娘さんの事で心配事があり、ストレスも結構あったと言われました。
また、前日に冷たい風を右顔面部にかなり継続的に受けていたともおっしゃられました。 それて、朝、起床したら顔面部にこわばりがあり、口も上手く開かなくなり、引っ張られる感じが生じたとのことでした。
この方の場合は、やはり直接的な原因は、冷たい風をまともに顔面に受けすぎた事にあると考えられました。中国医学で云う「正気不足」で、顔面 部の経路(気血の流れのルート)に、寒邪が停滞してしまったのだろうと考えられました。
このような症状に対する治療として、顔面部への鍼と、気血の流れを良くする手、足のツボへの刺激に加え、棒灸と言って、棒状の灸を患側の顔面 の神経の流れに沿ってあてがい暖めていってあげることで、冷えによる気血の停滞を改善するようにしていきました。
M.Tさんの場合、発病してまだ時間が浅かったこともあり、トータルで7回ぐらいの治療をおこなったら、すっかり良くなられました。
このような顔面神経麻痺に限らず
、神経系に関する病は、手当が早い程治りが早いです。
例えば、座骨神経痛、顔面神経麻痺、三叉神経痛、滞状疱疹(ヘルペス)、肩関節周囲炎(四十・五十肩)などがそうです。
自覚症状が少しでも出てきたらなるべく早く、治療にあたられるよう心がけてください。

説明の中ででてきます
気・血・水の考え方につきましては、「中医学の病気のとらえ方」で詳しくお話ししていますので、お読みいただけるとよりわかりやすいと思います。

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