“美容鍼について知って頂きたい大切な事柄がございます。”

 近頃、美容鍼を行っているというところが増えてきており、雑誌・テレビ・メディアなどでよく紹介されております。しかしながら、大変残念な事に理論的な部分の説明や施術に関する方針など、美容鍼を行う上でとても大切な部分が紹介されていないような気がいたします。
皆さまは「美容鍼」についてどのように捉えられているでしょうか?

 まず、「美容鍼」についての理解なのですが、細い鍼を使用し・何本もの鍼を局所的に打って頂く事が、美容美肌に繋がると誤解されている方がいらっしゃいます。
確かに、鍼を打って頂ければ、血流の促進・リンパ液の流れの改善に繋がり、見た目に美肌に効いている様な感じは致しますので、そのように考えられるのも無理はないかもしれません。 しかしながら、本来の「美容鍼」とはそういった一時的・表面 的なものではございません。

中医学的な考え方で捉える「美容鍼」では、美肌治療、肌荒れ・浮腫・ニキビ・ホウレイセン・毛穴の開き・シミ・ダイエットなど、といったトラブルは、内臓の働きと深く係わっていると考えます。
そのため、症状の起因・体質・活力エネルギー(気血)の失調・症状程度具合を判断する必要性があり、それによって、お手当ての方針が決まるものなのです。
ですから、治療に要するお時間につきましても、受療者が受ける時間の長さを決められるものではなく、施術を受ける方の体質や症状の具合によって、施術を行う側が決めさせて頂くこととなります。

本来の中医学(東洋医学)に於いては、肌は内臓の健康状態の表れで有ると考えております。健康な内臓があって、初めて健康な体・肌が存在し得ます。
中医学では、体と肌の状態によって内臓の虚実盛衰や疾病の予後推測が出来ると2千年以上も前の書籍「素問脈要精微論」で述べられているのです。

健康な体はふっくらし、肌は潤いがあり弾力性を保っております。
逆に言えば、肌荒れ・浮腫などは、内臓の健康状態があまりよろしくない状態だとも言えます。 ですから、美しい肌をよみがえらせるには、まずは内臓のケアから始めていかなくてはならないのです。

「美容鍼」とはその様な考え方のうえにある治療なのだということを是非ご理解頂けたらと思います。






 皮膚の健康美は人体の健康と密接に関係しております。
皮膚は体の最外表であり、皮膚を健康に保つことは、体内の健康に繋がります。
また、皮膚にある何万何千という毛穴は、「ぞう理・元真通 暢」の場所であります。「ぞう理・元真通暢」というのは、新陳代謝を促し、外気の清い良質のエネルギーを取り入れているのが皮膚であることを意味し、良質のエネルギーを内臓に取り入れてあげる作用は、皮膚が行っていると言うことをあらわしています。それにより、内臓が健康な状態でいられるのです。
また、皮膚の色つやによって、内臓の気血(活力エネルギー)の盛衰が分かります。豊潤で光沢のある皮膚は、内臓の気血の充実を表し、逆に乾燥しつやのない皮膚は内臓の衰えを表しています。

肌が弛んだり毛穴が開いたりするのには、一因として皮膚を引き締め、皮肌を持ち上げる気のエネルギー不足とも考えられております。
中医学的な考え方による美肌のお手当てとは、体全体の気血の調整と体質を見極め、内蔵の働きに関してもお手当てを行う必要性が有るのです。

 前章でもお話ししましたように、局所的に顔面部や荒れた肌の部分に鍼の施術を行うだけでは、本当の美肌に繋がらないという事を、どうか皆様に知っていただけたらと思います。






 またその他にも、必要な事柄がございます。
 それは、施術する側(つまり鍼灸院など医療施設側)の技量 について知ることです。
効果的な「美容鍼」を行うには、
T刺鍼の技術力・得気(鍼を皮膚上に有るツボに刺入し際現れるツンとした重い・だるいと言った体の反応)を得る技術力U
Tまた如何にスピーディで適確に経穴(ツボ)に鍼を打っていき鍼の刺入感を感じさせない技術力U
そのために臨床経験が豊富である事、
また経穴(ツボ)の組み合わせ、ツボの処方・組み合わせる理由や経穴のツボの作用効果 を高める組み合わせを出せる技術力(論理なく鍼を沢山打つことでは体質改善やバランス調整には繋がり難いです)
ツボに関する知識力、作用・主治効能を奥深く理解できている理解力、
などの事柄が必要となります。

皆様には、是非それらを見極める力を持って頂きたいと思っております。
治療という行為を行うという事は、理論と再現性が必要です。
「 経穴(ツボ)があるから鍼を打ちました」では再現性がともないません。
選穴(ツボを選ぶ)理由がなければ理論に欠けてしまうのです。

皆さまに安心して、治療を受けていただくためにも、ご自身を守るためにも、施術者を見極める目を養ってくださいませ。

因みに、一つの経穴(ツボ)には、経絡(気血の活力エネルギーの流れ道)や、作用・主治効能と言う物がございます。

 例として、婦人科系疾患・皮膚治療や血流の流れに影響を与える、一般 的に臨床上良く使用される「三陰交」と言うツボを挙げてみましょう。
 
 ―このツボに関して、解説をさせて頂きます。



 三陰交は、中医学(東洋医学)に於いて、・の三臓の各々の経絡と交叉しており、

「肝」は蔵血作用に働き、女性の生理やホルモンの分泌と係わりを持っております。
「脾」は統血作用・血を漏らさない血管から不用意に出血させない働きです。不正出血は脾の働きと係わりが深いです。また、食べた物を、気血と言うエネルギーにし生産に係わっております。
「腎」は生まれ持ったエネルギーの貯蔵に係わっております。

 要するに三陰交は三つの臓の働きを強化し、また血のエネルギーの調整作用に働き掛けます。

  理血  : 血の調整。
  活血化お: 血流を促進し、滞っている血流分散し流す作用。

 ―作用として

  益陰固陽 血を増し、気の活動力も増させ体を温める力を出させる。
  滋陰養血 血を増し、体に潤いを与える。

  主治効能 婦人科疾患・不眠・肝臓・脾臓。
腎臓の疾患治療、皮膚病、浮腫、冷え性、不妊症などがあります。

三陰交に関して、一部の作用と主治効能に関して解説させて頂きました。
実際には、まだまだ色々な主治効能があります。



 そして、臨床では治療を受ける方の体質・疾患・症状の程度段階により、その他の経穴(ツボ)と組み合わせることで治療効果 を高められます。
また、同じ病名でも、体質や症状の程度段階が違えば使用するツボが違ってきますし、組み合わせるツボも違ってきます。
オーダーメイドの治療だからこそ、個々の体質に合った処方配穴(ツボの組み合わせ)が必要になるのです。
ですから、患部や局所に細く沢山の鍼を打つのが大切なことではなく、体質・症状起因・症状の程度段階を判別 し治療方針を出せる事が大切であり、そうしたことが治療効果 をより高めるのです。
この点を、皆様によく理解して頂ければ幸いかと存じます。







 せっかく「美容鍼」についてお話ししておりますので、ここで、一つ紹介したい治療方法がございます。
余り聞きなれないかと思いますが、「周期療法」と言う治療方です。

特に、アンチエイジング・デトックス・美肌・浮腫・不妊症に対して、東西医学の理論を融合し行われる治療方法です。
女性の生体ホルモンの周期を診て、周期ごとに手当ての仕方を変えて行う療法です。

女性の体は月に4パタンのリズムが生じます。
 月経期卵胞期排卵期黄体期となっております。
 各々の時期により女性ホルモンのバランスに変動が生じます。
 この事により、女性の肌への影響などが生じ肌荒れを引き起こします。



 黄体期(高温期): 人により月経前症候群が生じ、便秘・下痢・イライラ・頭痛・不眠・腹痛・腰痛・浮腫・ニキビなどの症状が起こり、その為に肌が荒れてしまう方もおります。


 月経期では、血液を排出する為血液が不足がちになり、肌の乾燥感などが生じます。それにより肌が荒れたりします。
月経期を例として、血液の不足を補う経穴(ツボ)を選穴したり、肌の潤いを促す作用の選穴をしたりする必要性がございます。
周期(特に一層の低温月経期・二層の高温黄体期)ごとの症状・体の情況に合わせ、よりきめ細かな手当てを行う方法が「周期療法」です。

 中医学においては、女性の周期ごとの気・血・水・と言う活力エネルギーのバランスを考慮した治療を行います。具体的には、体内エネルギーのバランス調整・卵胞ホルモンや黄体ホルモンなどがスムーズに分泌される様に手当てを同時に行い、肌荒れを防ぐ手当を行います。
また定期的な受診治療を続けられることで、体のメンテナンスと疲労回復やアンチエイジングに繋がって行き若々しい肌&健康な体が保てると思います。

但し、「周期療法」は西洋医学の生理理論と中医学の生理理論の融合療法となりますので、東洋医学の枠の中での伝統中医学を学習されていないと、中医学診断弁証(体の症状の起因・症状の段階・体質判断)が出来ず、弁証から得た体の情報に合った治療方針を立て、処方配穴を出す事が出来ません。そうなると肝心な体質改善の治療が行えないかと思いますので、施術して頂く医院をお選びになる際に気を付けて頂ければと思います。

 またここでご紹介いたしました「周期療法」は、中医学を深く学習理解されて無いと行えない療法ですので、どこの鍼灸院でも受けられる療法ではないという事を予めご理解頂けたらと思います。




女性の体と肌は非常にデリケートで、詳細な体の情況状態を把握、判別 し手当てを受ける必要性があります。
健康と美肌を求めるのであれば、真の実力の有る鍼灸の先生の情報を、メディアだけに頼らず、自分自身で収集し(パンフレット・ホームページで資料集め)治療内容の方針などを見極めることも大切です。

 本当に大切なのは理論立てて治療方針を組み立てる力であって、細い鍼を使用しているとか、痛くないとか、沢山鍼をうって頂けるとかではありません。深い知識力・高い技術力がある医院であれば、自ずと刺鍼は皆様が考えているほど痛みを伴なうことは無いでしょう。
また無駄に治療費を費やし、効果の低い治療を受けることを防ぐことに繋がると思います。

 このページの内容が、美容鍼を受けたいとお考えの方々への参考になれば幸いかと存じます。

 最後になりましたが、当院で受診治療を受けてみたい方で、相乗効果 としまして、漢方薬の服用、プラセンタ注射(胎盤エキス注射/自然治癒力を増す作用・抗加齢に働く作用のあるエキス剤注射療法です)を併用されたい方がおられましたら、お気軽にご相談下さいませ。紹介状をお書きし信用できる専門クリニックへのご紹介もいたします。

 詳しくは、当院へ問い合わせ下さいませ。

 




今回のためになる話、いかがでしたか?
内容についてのご質問や、ご相談などいつでもうけつけております。
メール又は、お電話にてお気軽にお問い合わせ下さい。

院長 楊 志成

      

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